2022(令和4)年 春のセンバツ予想



出場校評価  ベスト8予想  各試合予想  大会を終えた感想  管理人が選ぶ印象に残った試合  

出場校評価

地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
北海道 クラーク国際 北海道 初出場
東北 花巻東 岩手 4年ぶり4回目
聖光学院 福島 4年ぶり6回目
関東 明秀学園日立 茨城 4年ぶり2回目
山梨学院 山梨 2年ぶり5回目
木更津総合 千葉 6年ぶり4回目
浦和学院 埼玉 7年ぶり11回目
東京 国学院久我山 東京 11年ぶり4回目
二松学舎大付 東京 7年ぶり6回目
北信越 敦賀気比 福井 2年連続9回目
星稜 石川 3年ぶり19回目
東海 日大三島 静岡 38年ぶり2回目
大垣日大 岐阜 11年ぶり4回目
地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
近畿 大阪桐蔭 大阪 3年連続13回目
和歌山東 和歌山 初出場
天理 奈良 3年連続26回目
金光大阪 大阪 13年ぶり3回目
近江 滋賀 4年ぶり6回目 (A) (A) (B) (A) (A) (A)
市和歌山 和歌山 2年連続8回目
東洋大姫路 兵庫 14年ぶり8回目
中国 広陵 広島 3年ぶり25回目
広島商 広島 20年ぶり22回目
倉敷工 岡山 13年ぶり11回目
四国 高知 高知 4年ぶり19回目
鳴門 徳島 9年ぶり9回目
九州 九州国際大付 福岡 11年ぶり3回目
大島 鹿児島 8年ぶり2回目
有田工 佐賀 初出場
長崎日大 長崎 23年ぶり3回目
21世紀 只見 福島 初出場
丹生 福井 初出場
大分舞鶴 大分 初出場
日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人



8 5 8 6 6 6



16 19 21 19 23 18



8 8 3 7 3 8

※京都国際が出場辞退し、近江が代替出場。評価は京都国際のものです。  

ベスト8予想

ブロック 高校 予想 結果
浦和学院−大分舞鶴
和歌山東−倉敷工
前監督の士氏が退任して長男の森大監督が指揮をとる浦和学院は投打に力がありわずかにリードする。近畿大会準優勝の和歌山東は、昨秋は強豪校との対戦が続き防御率などの数字が良くないが、力はある。 浦和学院
(1)
クラーク国際−九州国際大付
広陵−敦賀気比
4校すべてが地区大会優勝校で、平等にチャンスがありそうだ。その中で広陵は総合力が高く、大会の優勝も狙える。九州国際大付は派手な数字とは裏腹に、堅守の好チームという印象。他の2校も総合力は高い。 九州国際大付
(2)
長崎日大−近江
二松学舎大付−聖光学院
京都国際が出場辞退し、近江が代替出場となった。その近江は急遽代替出場のハンディをはね返すほどの総合力があると見る。二松学舎大付聖光学院はいずれもまとまりのある好チームで、勝ち上がる可能性は十分。 近江
(1)
山梨学院−木更津総合
日大三島−金光大阪
こちらも4校の差が小さいブロック。打力の高い山梨学院がわずかにリードか。2020年4月から永田監督が指揮をとる日大三島は、戦力的に抜きんでているわけではないが、逆転勝ちが多く全員野球の好チームだ。 金光大阪
(−)
高知−東洋大姫路
国学院久我山−有田工
このブロックも混戦模様だが、四国チャンピオンの高知のポテンシャルは高い。今大会の台風の目とも言うべき存在。東京チャンピオンの国学院久我山は東京大会決勝の逆転勝ちを始め、粘り強いチームである。 国学院久我山
(2)
星稜−天理
只見−大垣日大
同じことばかり書いているが、ここも実力伯仲だ。近年ドラフト1位選手を輩出している星稜天理は、いずれも今年は突出した選手は不在ながら、チーム全体で弱点をカバーし合うまとまりのある好チームだ。 星稜
(1)
花巻東−市和歌山
大島−明秀学園日立
スラッガー・佐々木擁する花巻東は、秋は打力が前面に出て打ち勝ったが投手陣に課題を残している。投打に力がある関東王者の明秀学園日立や、好左腕・大野を擁する大島も楽しみ。 市和歌山
(−)
丹生−広島商
鳴門−大阪桐蔭
今年も戦力が充実する大阪桐蔭が大きくリード。ただし初戦の鳴門は油断のならない相手。伝統校の広島商は、伝統の「広商野球」とは全く違う勝ち上がり方を見せたが、逆に楽しみである。 大阪桐蔭
(1)


 

各試合予想

※勝つと予想した高校が上段となっています。

回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 浦和学院 4 21世紀枠の大分舞鶴だが、大物食いする力を秘めている。右腕エース・奥本が浦和学院打線にどこまで通用するかがポイント。監督が交代した浦和学院は豪打のチームというわけではないが、奥本の調子次第では呑み込む力を持ち合わせている。 序盤はつながらなかった浦和学院打線が中盤に爆発し、長打攻勢で一気に突き放した。2安打13奪三振の宮城の好投が光り、大分舞鶴打線に付け入るスキを与えなかったことが勝因と言えそうだ。
大分舞鶴 0

和歌山東 8 秋の数字だけ見ると倉敷工に分があるが、実際の実力差はそれほどない。和歌山東・麻田、倉敷工・高山の両右腕による投手戦になりそうだが、四死球や失策で一気に試合が動く予感もある。秋の大会で強豪校を連破した和歌山東の経験値を買いたい。 抑えられた倉敷工、チャンスを逃した和歌山東、形は違えど期待した通りの投手戦となった。延長11回表に和歌山東が7点を奪って差が開いたとはいえ、手に汗握る面白い試合だった。
倉敷工 2

九州国際大付 3 神宮大会では九州国際大付が勝っているが、実力差はあまりない。秋の打撃の数字がすごいことになっている九国だが、堅守と投手力のチームという印象が強い。クラークの山中・辻田の左右2枚看板との投手戦を九国が制するのでは、と予想している。 序盤は点の取り合いから始まり、クラークが辻田に継投してからは一転して息詰まる投手戦に。おおむね予想通りの試合展開だったが、最後はわずかなスキを九国が突いて試合を決めた。
クラーク国際 2

広陵 9 好カード。敦賀気比は昨年甲子園の経験メンバーのエース・上加世田が投打の大黒柱だが、打力も機動力もある広陵を1人で抑えきるのはなかなかしんどいと見る。投手も野手も、上加世田に続くメンバーが台頭すれば、敦賀気比も互角以上に戦える力がある。 もう少し敦賀気比打線が打てると予想していたが、大黒柱の上加世田が初回から打ち込まれたことが野手にも影響を与えたか、流れを変える策もなくあまりにもあっさり土俵を割った印象である。
敦賀気比 0

近江 6 京都国際がPCR検査にて陽性者が複数出たため出場辞退し、近江が代替出場。急遽出場が決まった近江だが、練習試合をこなしており、近畿という地の利もあって影響は最小限だろう。故障から復活途上にある好投手・山田の投球に期待したい。 故障明けの山田はタイブレークの延長13回まで投げ切りベストピッチ。7回以降ノーヒットに抑えた粘投が光る。苦しんだ近江打線だが9回に追いつき、13回に突き放して底力を見せた。
長崎日大 2

二松学舎大付 3 二松学舎大付の布施、聖光学院の佐山の投げ合いで接戦になると予想している。打撃力の差で二松学舎大付が少し上回る。ただし東京大会決勝で逆転負けを喫したように、布施は終盤のスタミナに課題がある。聖光学院が突くとすればそこだろう。 布施は初回から制球が定まらず、ここまでの不調はさすがに想定外。ストライクはベルトより上の打ち頃のボールが多く、秋は打線が湿っていた聖光学院打線が力強くはじき返した。 ×
聖光学院 9

山梨学院 1 好カード。山梨学院はかなり自信のある出来に仕上がっているが、木更津総合も投手力が高く全国での勝ち方も知っており難敵である。打撃力で山梨学院が上回ると見るが、春は打力が発揮できないことも多く、投手戦なら木更津総合にも分がある。 木更津総合が狙い通りの投手戦に持ち込み、タイブレークの激闘の末サヨナラ勝ちした。スコアの上では接戦だが、山梨学院としては最後まで自分たちの野球ができなかったのではないだろうか。 ×
木更津総合 2

日大三島 0 日大三島の松永、金光大阪の古川、両右腕の投手戦になると予想する。古川のスライダーは絶品だが、この球の調子が悪いと崩れる場面も見られ、古川の調子が勝敗を分けそうだ。両校とも突出したスターは不在だが、打撃力でわずかに日大三島が上回るか。 松永の立ち上がりの乱調を攻め立て、金光大阪がそのまま試合を決めた。古川の調子は良く、初回の3点が最後まで重くのしかかった。両校合計5失策だが、随所に好守が見られた試合でもある。 ×
金光大阪 4
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 高知 4 高知がやや有利。昨秋の東洋大姫路は、公式戦では大半が3得点以下に終わっているが、ポテンシャル的にはもう少し打てるはず。一冬超えての成長があれば勝てない相手ではない。一方の高知は投手陣に決め手がないものの、継投で逃げ切ると予想する。 打撃で先行した高知、6回から秋登板なしの中嶋にスパッと継投した采配には驚いた。失策絡みで2点を失うとはいえ、見事な投球と言える。9回も川竹ではなく日野を投入して再度驚かされた。
東洋大姫路 2

国学院久我山 4 有田工の絶対的エース・塚本対国学院久我山打線の対決、という図式になりそう。国学院久我山はある程度得点を挙げると予想しているが、投手陣に絶対的な柱がないだけに、有田工も相手の継投の綻びを突けば十分に勝機があると言える。 試合開始が約3時間半遅れるという難しい試合ではあったが、塚本は最少失点で粘った印象。一方有田工打線は国学院久我山先発の成田を攻めきれず、完投を許してしまった。
有田工 2

星稜 5 秋の時点では、天理は打力はあるものの投手力が不足しているという印象だった。投手陣が安定している星稜がやや有利と予想しているが、冬の間に投手陣が整備されていれば、ポテンシャルの高い天理が打ち勝つ展開も十分に考えられる。 天理打線が思った以上に当たっておらず、先発南澤の好投が生きなかった。星稜は先発マーガードがアクシデントで降板するも、続く逆転のピンチを凌ぐなど総合力で逃げ切った。
天理 4

大垣日大 6 総合力で大垣日大が上回る。只見としては酒井悠・室井の投手陣が2失点以内に抑えて競り勝つ以外に勝機を見出しにくい。大垣日大は投手陣が安定しており、失点を抑えている間に先制点を奪えば勝利は堅い。しかし得点が遅れると紛れは起こり得る。 力の差はあったように思うが、只見は守備位置を工夫するなど随所でよく守り、点差が離れぬよう最後まで食らいついた。大垣日大も外野の声に負けずによく頑張ったと思う。
只見 1

花巻東 4 市和歌山のエース・米田は最速148キロの実力だけでなく、かなりのハイテンポで自分のペースに持ち込むことが得意。打力のある花巻東だが、まずはペースを引き込めるかどうかがカギ。序盤の主導権争いに敗れると、花巻東といえど危ういことになる。 立ち上がりスライダー・カーブの制球に苦しんだ米田だが、花巻東の中軸がボール球をマン振りして米田を助けてしまった。軽打でつないで加点した市和歌山とは対照的だった。 ×
市和歌山 5

明秀学園日立 8 明秀学園日立の強力打線と、大島の好投手・大野の対決が楽しみ。大野の調子がこの試合の勝敗も決めそうである。明秀学園日立はエース・猪俣に加え、昨秋は登板がなかった石川も有望な投手で、戦力的には明秀学園日立が上回っている。 記録上は失点したイニングは失策がない大島だが、まずい守備がことごとく失点に結び付き、序盤から点差が開いてしまった。大島は無死1塁の場面を4度作ったが、明秀学園日立の好守に防がれた。
大島 0

広島商 22 広島商は投手陣に決め手がなく、6投手がベンチ入りするが誰が中心になるかは未知数。逆にそれを生かして早めの継投がしやすいという利点になるか。打力で劣る丹生は左腕・井上の調子が重要なのはもちろんだが、最低4〜5点の援護点も欲しいところ。 井上は制球が定まらず、丹生は一時逆転するがすぐ再逆転され、最後まで波に乗れず失点を重ねてしまった。守備陣が乱れ、苦しい投球が続く井上をバックが助けられなかったことも残念。
丹生 7

大阪桐蔭 3 総合力で大阪桐蔭が上回る。鳴門のエース左腕・冨田が大阪桐蔭の長打をいかに封じるかだが、3点以下に抑えるのはかなり難しい。大阪桐蔭は前田の先発が予想されるが大崩れは考えにくく、前田が抑えて打者が打つという王道の展開が予想される。 冨田は内外角を投げ分け、インコースをうまく使って最少失点に抑えた。しかし大阪桐蔭先発川原に乱れる気配がなく、追加点が奪えない苦しい展開にも動じず、貫禄の勝利となった。
鳴門 1
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
2回戦 浦和学院 7 浦和学院のエース・宮城は1回戦で2安打完封しているが、和歌山東打線がそこまで完璧に抑え込まれるとは考えにくい。お互いにある程度チャンスを作ることが想定される。当然ながらチャンスを生かせるかどうかがカギだが、浦和学院の長打力がわずかに上回るか。 宮城は1回戦よりさらに調子を上げた印象で、和歌山東打線を全く寄せ付けなかった。和歌山東はまさかの6暴投で、守りのミスが攻撃にも影響を及ぼしたか。浦和学院の完勝と言える試合。
和歌山東 0

広陵 1 好カード。広陵としては、初戦のように序盤から点を取る展開にしたいところ。香西を打ちあぐねた場合、九州国際大付の堅守が発揮される展開になりそうだ。香西はテンポ良くストライクを取りに来る傾向があるが、広陵打線がそこを叩いて塁上でかき回せるか。 広陵先発の森山が想像以上に打ち込まれてしまう。接戦ではあったが、九州国際大付が常にチャンスを作り、押しまくった。広陵は後手に回り、良さが出にくい試合展開になってしまった。 ×
九州国際大付 4

近江 7 初戦で9得点の聖光学院だが、近江の山田相手にはそうは打てないだろう。ただし山田は故障明けで13回を投げ切ったことを考慮し、別の投手が先発する可能性もある。聖光学院のエース・佐山が2〜3失点程度に抑えれば有望だが、それ以上の失点は苦しくなる。 立ち上がりやや不安定だった山田は最少失点で凌いで立ち直り、逆に佐山は立ち上がりに大量失点を喫してしまった。急遽代替出場の近江はようやく打線が本領を発揮してきたように見えた。
聖光学院 2

木更津総合 3 木更津総合の越井、金光大阪の古川による投手戦が想定される。1回戦の投球内容は甲乙つけがたく、当日の調子次第ではあるが、チーム力としては攻撃力・守備力とも木更津総合が少し上回りそうだ。金光大阪としては初戦3失策からの立て直しが必要である。 期待に違わぬ素晴らしい投手戦となる。延長タイブレークまでもつれた上に金光大阪が逆転サヨナラ勝ちするが、最後の継投失敗は木更津総合・五島監督の采配ミスのように見えた。 ×
金光大阪 4

高知 3 どちらかと言えば点の取り合いが想定される。1回戦で国学院久我山は結果的に成田完投となったが、この試合は継投も視野に入る。一方の高知は1回戦で見せたような変幻自在の継投が見られるかどうか。国学院久我山としては継投のスキを突きたいところ。 国学院久我山の犠打が高知のミスを誘い、常にリードする展開に。ビハインドを背負った高知は継投で流れを変えることもできず、むしろ国学院久我山に付け込まれてしまった。 ×
国学院久我山 6

星稜 6 星稜は1回戦爪のアクシデントで降板したマーガード、腕に死球を受けた武内、2投手の状態が気になるところだが、影響がなければやや有利と見る。大垣日大の五島は初戦で18奪三振完投しているが、星稜相手に気持ち良く投げるのは難しいと予想する。 マーガードはしきりに指を気にする仕草を見せて6回までで降板するが、大垣日大の守りのミスにも付け込んで序盤から加点した星稜が、終始リードを保つ危なげない試合運びを見せた。
大垣日大 2

明秀学園日立 1 市和歌山のエース・米田の調子がこの試合もポイントになりそうだ。1回戦のように立ち上がりに乱れると、今度は危ないかもしれない。明秀学園日立は花巻東より投手力の高いチームだけに、3〜4点くらいが勝敗を分ける分岐点になると予想する。 序盤から数多くのチャンスを作ったのは明秀学園日立だが、米田はピンチで素晴らしい粘りを見せ、バックも守りで盛り立てた。米田の好投が味方打線に勢いを呼んだとも言える。 ×
市和歌山 2

大阪桐蔭 総合力で大阪桐蔭が上回る。初戦で3得点に終わった大阪桐蔭だが、広島商にはこれほど抑えられる投手は不在だろう。継投で目先を変えつつ、点の取り合いを挑んで打ち勝つ以外に勝利は見えない。大阪桐蔭は今度こそ前田の先発を予想する。 広島商のベンチ入りメンバーら9人がPCR検査で陽性となり出場辞退、大阪桐蔭の不戦勝となりました。予想的中とはみなさず引き分け扱いとします。残念な結果になってしまいました。
広島商
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準々決勝 九州国際大付 3 九州国際大付の香西、浦和学院の宮城、両エースによる投手戦が予想される。今のところ両投手、そして両守備陣とも乱れる気配は見えないが、総合力でわずかに九州国際大付が上回ると見る。今大会は打球が飛ばない傾向にあり、九国の強打者・佐倉らに対しては強気のインコース攻めを貫くことも重要となりそうだ。そんな流れを変える長打が出るかも注目したい。 2回戦までと秋の九州国際大付は香西が、立ち上がりは悪くとも尻上がりに調子を上げて逃げ切る戦いを得意としていた。しかしこの試合は中盤以降も球が高めに浮く傾向が目立ち、浦和学院が2本塁打を浴びせて撃沈した。浦和学院打線の力強さが非常に目立った試合。 ×
浦和学院 6

近江 6 2回戦で160球を投げた金光大阪エース・古川にとってみれば、順延は恵みの雨になりそうだ。一方の近江エースの山田は87球で済んでいるうえ、昨年の故障の影響が感じられない内容となっている。両エースの調子がそのまま勝敗を左右しそうだが、打撃力でやや近江が上回ると予想する。ただし、近江がその他の投手を先発させた場合は全く違う展開になりそうだ。 金光大阪は絶対的エース・古川の調子があまり良くなかったが、それ以上に勝負所で悪送球を連発し、2回戦までのような接戦に持ち込めなかった。近江は相手投手の調子があまり良くない中でも欲を出さず、着実に犠打で走者を送って着実に得点を重ねて押し切った。
金光大阪 1

国学院久我山 4 総合力にさほど差はないが、星稜は2回戦で指を気にしていたマーガード、登板のなかった武内の状態に不安があり、中山は国学院久我山打線にどこまで通用するかが未知数と思う。この状態では、連戦となる星稜がやや不利と予想する。とはいえ、国学院久我山の投手陣も盤石とは言えず、星稜打線が2回戦のように序盤から加点して逃げ切る展開ならば勝機はある。 国学院久我山のエース・成田を攻め立てた星稜だが、もう1〜2点取りたかったところ。また、先発武内は四死球が多かったとはいえ、初安打を浴びたタイミングでの継投は早いように感じた。救援したマーガードはやはり指を気にしており、逆転を許してしまった。
星稜 2

大阪桐蔭 17 市和歌山としては連投の米田が大阪桐蔭の強力打線を1人で抑えきるのは難しそうだ。ただし、もう1人の好投手・淵本が先発して中盤まで1失点以内に抑えるような展開なら市和歌山にも希望の光が見える。大阪桐蔭は望まない形とはいえ、2回戦が不戦勝だったため、日程が最も厳しいブロックでありながら余力は十分。しかし1回戦のように打線が抑えられると紛れはある。 市和歌山は先発淵本の制球が定まらずに粘り切れず、救援したエース・米田は明らかに球威不足で早々に降板、打線も完全に封じられ打つ手なしの状況に陥った。悪い流れが守備に影響を及ぼす場面もあったが、終盤は落ち着きを取り戻し自分たちの野球を貫いた。
市和歌山 0
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準決勝 浦和学院 2 近江のエース・山田はここまでタイブレークを含めて3試合連続完投中で、ルール上の球数制限にはまだ余裕があるとはいえ、そろそろ疲労が気になってくる頃だ。別の投手が先発した場合も含め、浦和学院打線ならある程度得点できる力があると見る。浦和学院のエース・宮城はあまりスキがないが、準々決勝のように突如乱れることもある。準々決勝から急にボールが飛びやすくなっており、長打が勝敗を分ける可能性がある。 宮城を登板させないと決めた浦和学院の必死の継投。山田は調子があまり良くなく先に2点を失うが、その後ギアを上げて浦和学院打線を寄せ付けない。死球を受け、足を引きずりながらも力投を見せた。この両校による延長11回の激闘は大橋のサヨナラ3ランで決着したが、見る者の心を打つには十分だった。 ×
近江 5

大阪桐蔭 13 打球がよく飛ぶ流れは準決勝でも続くかもしれない。長打自慢の選手が揃う大阪桐蔭にとっては有利な環境だろう。内外角を投げ分けたうえで低めに集めれば抑えることは可能だが、国学院久我山の投手陣がそれを9イニング続けることは難しいと見る。大阪桐蔭は川原と前田のどちらが先発するかは読みにくいが、西谷監督はちょっと打たれても簡単に降板させない采配が多いので、国学院久我山はビッグイニングを作りたい。 準々決勝で1試合43塁打の大会新記録を作った大阪桐蔭は、この試合も19安打13得点の大爆発で3投手を粉砕した。国学院久我山は序盤から失点を重ねてしまいなかなか流れを引き寄せることができなかったが、中盤以降の反撃は見事。大阪桐蔭の4失策に対し、無失策で終えた守備陣も良かった。
国学院久我山 4
決勝 大阪桐蔭 18 昨秋は対戦なし、昨夏甲子園では近江が逆転勝ちしている。今回は戦力的に大阪桐蔭が大きくリードするうえ、近江はエース・山田が球数制限により最高でも116球しか投げられず、さらに準決勝で受けた死球の影響も懸念材料だ。星野らの控え投手陣は秋の近畿大会で打ち込まれており、大阪桐蔭打線を封じるのはかなり難しい。大阪桐蔭は前田の先発が予想されるが、近江としては前田をKOして打撃戦に持ち込むことが必須となる。過去の大阪桐蔭の戦いぶりを見ると、先発投手が打ち崩されたときの継投は後手に回る傾向にある。 やはりこうなったか…という試合。近江は山田が先発するも、3回途中に自ら志願して降板。救援した星野は粘り強く投げてはいたが、大阪桐蔭の勢いを止めることはできなかった。大阪桐蔭先発の前田はまるでスキがなく、1点を返すのが精一杯で、大阪桐蔭の完勝と言える試合。しかしながら、急遽代替出場して決勝まで進んだ近江の健闘ぶりは称えられるものだろう。
近江 1


 

大会を終えた感想

 20/30で、試合ごとの的中率は.667。出場辞退校が出た影響で過去の大会と分母が異なるが、的中率は3大会連続でほぼ横ばいという結果となった。

 1回戦の16試合で本塁打が1本のみと投高打低傾向で大会がスタート。その影響か、2回戦までで延長戦が6試合、うちタイブレークが3試合と接戦が多かった。ところが準々決勝以降は球が飛ぶ飛ぶ、大差ゲームが増えて延長戦は1試合だけと激減した。

 優勝したのは大阪桐蔭(大阪)。春は4年ぶり4回目の優勝で、夏を含めると9回目の優勝である。望まない形ながら不戦勝が1試合あった影響で、4試合での優勝が1979年の箕島(和歌山)以来43年ぶりという珍しい記録も作った。

 チーム11本塁打は大会新記録。猛打が前面に出る形となったが、投手力も高い。神宮大会に続く優勝であり、もちろん春夏連覇も視界に入るが、さらに国体まで制覇すれば1998年横浜(神奈川)以来の完全制覇となる。あとは今年こそ国体が開催されることを願いたい。



 

管理人が選ぶ印象に残った試合

順不同で、春は5試合ピックアップします。あくまで「印象に残った試合」なので、接戦の好ゲームとは限らず、大差ゲームであることもあります。5試合に絞ってはいますが、もちろんほかにも良いゲームはたくさんあります。

  • 1回戦 九州国際大付3−2クラーク記念国際(延長10回)
  • 神宮大会と同一カードは、点の取り合いから始まったがクラークが辻田に継投してからは一気に引き締まり、中盤以降は一瞬たりとも目の離せない投手戦に。2回途中から救援して11奪三振の辻田が最後は力尽きた。

  • 1回戦 星稜5−4天理(延長11回)
  • 伝統校対決は星稜が先行するも、マーガードが爪を負傷して降板、天理に追いつかれる。天理は延長10回にも同点に追いつく粘りを見せるが、11回に再び2点を勝ち越されると今度は追いつけなかった。

  • 1回戦 大阪桐蔭3−1鳴門
  • 大阪桐蔭は背番号10の川原が先発、昨年の甲子園で味わった苦い経験を力に変えた。鳴門先発の冨田も5本の二塁打を浴びながら決定打は許さず、爆発を許さない。大会を終えて改めて、冨田の好投が思い起こされる。

  • 2回戦 金光大阪4−3木更津総合(延長13回タイブレーク)
  • 期待通りの投手戦はあっという間にタイブレーク突入。13回表に木更津総合が2点を勝ち越す。その裏金光大阪も併殺崩れの間に1点を返すが、残り1アウトが遠く、継投の綻びを突いた金光大阪が逆転サヨナラ勝ち。

  • 準決勝 近江5−2浦和学院(延長11回)
  • 昨年は故障があった近江の山田、2点を先制されながら粘りの投球、死球を受けてからもそれは続いた。浦和学院も必死の防戦で最少失点に防いでいたが、11回に大橋のサヨナラ3ラン本塁打で劇的な幕切れ。

    印象に残った試合 皆様の投票結果

    1位 準決勝 近江 5−2 浦和学院 26
    2位 1回戦 星稜 5−4 天理 14
    3位 準々決勝 浦和学院 6−3 九州国際大付 9
    4位 1回戦 近江 6−2 長崎日大 7
    4位 2回戦 市和歌山 2−1 明秀学園日立 7
    4位 2回戦 金光大阪 4−3 木更津総合 7
    7位 1回戦 大阪桐蔭 3−1 鳴門 6
    7位 準々決勝 大阪桐蔭 17−0 市和歌山 6
    9位 1回戦 浦和学院 4−0 大分舞鶴 5
    10位 1回戦 九州国際大付 3−2 クラーク国際 4
    10位 1回戦 木更津総合 2−1 山梨学院 4