2017(平成29)年 春のセンバツ予想



出場校評価  ベスト8予想  各試合予想  大会を終えた感想  管理人が選ぶ印象に残った試合  

出場校評価

地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
北海道 札幌第一 北海道 2年連続2回目
東北 仙台育英 宮城 2年ぶり12回目
盛岡大付 岩手 4年ぶり4回目
関東 作新学院 栃木 5年ぶり10回目
東海大市原望洋 千葉 7年ぶり2回目
前橋育英 群馬 6年ぶり2回目
健大高崎 群馬 2年ぶり3回目
東京 早稲田実 東京 4年ぶり21回目
日大三 東京 6年ぶり19回目
北信越 福井工大福井 福井 2年連続5回目
高岡商 富山 7年ぶり5回目
東海 静岡 静岡 2年ぶり16回目
至学館 愛知 初出場
地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
近畿 履正社 大阪 3年ぶり7回目
神戸国際大付 兵庫 7年ぶり4回目
大阪桐蔭 大阪 3年連続9回目
滋賀学園 滋賀 2年連続2回目
智弁学園 奈良 2年連続11回目
報徳学園 兵庫 3年ぶり21回目
高田商 奈良 23年ぶり3回目
中国 宇部鴻城 山口 2年ぶり3回目
市呉 広島 初出場
創志学園 岡山 2年連続3回目
四国 明徳義塾 高知 2年連続17回目
帝京第五 愛媛 48年ぶり2回目
九州 福岡大大濠 福岡 26年ぶり4回目
東海大福岡 福岡 32年ぶり2回目
熊本工 熊本 10年ぶり21回目
秀岳館 熊本 2年連続3回目
21世紀 不来方 岩手 初出場
多治見 岐阜 初出場
中村 高知 40年ぶり2回目
日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人






18 15 23 18 25 20



 

ベスト8予想

ブロック 高校 予想 結果
至学館−市呉
日大三−履正社
神宮大会王者の履正社は厚い投手層に切れ目のない打線で欠点が少ない。当然今大会でも優勝候補となるが、初戦の相手の日大三は難敵だ。こちらも投打に役者が揃い、初戦さえ突破すれば上位進出を狙える。 履正社
(1)
熊本工−智弁学園
高岡商−盛岡大付
4校の実力差が小さいブロック。投打のバランスという面では盛岡大付が一歩リードする。センバツ連覇を狙う智弁学園は投攻守に課題が多いが昨年の経験を活かしたい。熊本工はプロ注目右腕・山口の存在が非常に光る。 盛岡大付
(1)
報徳学園−多治見
中村−前橋育英
前橋育英は、「140キロカルテット」の異名を持つ層の厚い4枚の投手陣が自慢で、継投で勝負したい。永田監督が勇退を表明している報徳学園は、183cmの長身右腕・西垣の成長が楽しみだ。 報徳学園
(2)
創志学園−福岡大大濠
東海大市原望洋−滋賀学園
福岡大大濠は、三浦−古賀のプロ注目バッテリーを強力打線が援護して安定している。東海大市原望洋の右腕・金久保も注目の好投手。昨春甲子園8強の滋賀学園は、昨年も登板した神村が健在、野手陣も力がある。 福岡大大濠
(1)
健大高崎−札幌第一
福井工大福井−仙台育英
実力伯仲のブロックで、4校に等しくチャンスがありそうだ。今年の仙台育英は派手さはないが、全員野球で勝利をつかむチーム。健大高崎は持ち前の機動力のみならず、投打の力も例年以上。札幌第一は秋の公式戦の打率.390を誇る。 健大高崎
(2)
高田商−秀岳館
作新学院−帝京第五
昨年春夏とも甲子園4強の秀岳館は、田浦・川端・廣部ら昨年の主力が残っており、九州大会では4強ではあるが上位進出を狙える。夏春連覇を狙う作新学院はエース左腕・大関が投打にカギを握りそう。 秀岳館
(1)
東海大福岡−神戸国際大付
早稲田実−明徳義塾
激戦ブロック。注目の好打者・清宮を擁する早稲田実は、投手陣の成長次第で優勝を狙える戦力。初戦にめっぽう強い明徳義塾も戦力が充実しており、清宮対策をどう講じるかとても楽しみである。 東海大福岡
(−)
静岡−不来方
宇部鴻城−大阪桐蔭
今年の大阪桐蔭はまだ完成度が低いように思えるが、その分伸びしろがありそうで注目したい。静岡はエース左腕・池谷、宇部鴻城はプロ注目の遊撃手・嶋谷と看板選手を擁し、どちらも8強は視界に入る。 大阪桐蔭
(1)


 

各試合予想

※勝つと予想した高校が上段となっています。

回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 至学館 投手戦になりそうだが、川口→新美の継投を勝ちパターンとする至学館に対し、市呉は絶対的左腕・池田が君臨する。攻撃は両チームとも機動力が持ち味だが、打線の破壊力で至学館が勝る。攻撃陣が相手の勝ちパターンをいかに崩すかがポイントで、攻撃陣に注目したい試合。 両チームの持ち味が存分に出た試合だが、至学館が秋の勝ちパターンを崩して新美を先発させたことで、試合終盤の継投に綻びが出た。序盤から飛ばした新美は9回頃にはスタミナ切れに見えた。 ×
市呉

履正社 12 好カード。両チームとも投打にハイレベルだが、履正社は秋の新チーム結成が遅れた中での神宮優勝、日大三も投手陣に向上の余地を残しており、秋のデータが当てにならない可能性もある。まずは履正社のエース・竹田が日大三打線をどう抑えるか。乱打戦の可能性もある。 終盤まで互角の好ゲームだが、わずかな綻びが9回表の7点につながった。日大三としては、チャンスにあと一本出なかったのが惜しまれる。逆に竹田は再三のピンチの場面でよく踏ん張った。
日大三

智弁学園 打撃力は智弁学園、エースの実力は熊本工が上回る。熊本工としては少ないチャンスをものにして山口の力投で逃げ切るパターンしかない。山口が早い回に失点するようだと智弁学園ペースになるし、5回まで無得点のような展開だと連覇を狙う智弁学園には嫌なムードになりそうだ。 山口は球が高めに浮くなど制球難、それでも投手交代なし、盗塁もあっさり決められすぎ、攻撃も淡泊でとにかく熊本工に工夫がなさすぎた。連覇を狙う智弁学園としては弾みがつく勝ち方となったか。
熊本工

盛岡大付 10 盛岡大付がやや有利。盛岡大付は秋の数字以上に打力があり、高岡商の土合・伏見の左右2枚看板との対決が見もの。先発が予想される左腕・土合は、昨秋は日によって差があったコントロールがポイントとなる。盛岡大付としては、目が慣れた2巡目以降に畳みかけられるか。 予想以上の打ち合いとなった。土合と盛岡大付の三浦、ともに球が高めに浮く傾向があり両チームの打線が活発によく打った。一見ノーガードの打撃戦だが、要所での好守備が光った試合。
高岡商

報徳学園 21 総合力で報徳学園が上回る。昨秋の報徳学園は打てる選手が限られていたが、冬場に全体的なパワーアップに成功。打ち勝つ試合展開も十分可能だ。多治見はエース・河地の調子次第。うまく低めに集めて接戦に持ち込めば勝機はある。序盤を無失策で波に乗りたい。 多治見は序盤から守りのミスを連発してしまった。河地らの緩い球をしっかり引きつけて痛烈なタイムリーを叩き出した報徳学園打線の力強さが光る。21世紀枠の存在意義の議論が起こりそうな試合。
多治見

前橋育英 総合力で前橋育英が上回る。前橋育英は昨秋のエース・吉澤が怪我でベンチ外となったのが気がかりだが、それを差し引いても投手陣の層が厚い上に攻撃力もある。中村は県大会で明徳義塾を破ったように、小柄なエース・北原の投球内容次第では互角かそれ以上に戦える。 前橋育英が早い段階で北原の変化球を捉え、ピンチの場面での継投も成功して終始試合を優位に進めた。中村もチャンスは何度か作っており、4回か6回に1点でも返していれば分からなかった。
中村

福岡大大濠 総合力で福岡大大濠が上回る。エース・三浦を始め、ほぼ全選手が公式戦に全イニング出場している福岡大大濠は、バッテリーに落ち着きがあり中軸に破壊力もある。難波との投げ合いは見ものだが、創志学園は代打起用など長澤監督の采配でゲームを動かす力がある。 創志学園は不調のエース難波ではなく、左腕・秋山が先発するも4失点で3回降板。難波は制球難ながらも変化球でゲームを作って味方も反撃しただけに、惜しい試合展開となってしまった。
創志学園

東海大市原望洋 総合力でほぼ互角。東海大市原望洋はエース・金久保のスライダーの制球が、2年連続出場の滋賀学園は昨年も登板した神村の復調がそれぞれカギになる。僅差の投手戦を東海大市原望洋が制すると読むが、両チームとも下位まで力がある打線なので、打ち合いもあり得る。 予想通りの投手戦ではあったが、東海大市原望洋としては優位に進めていた前半のうちにもう少し加点したかったところ。金久保は200球に達しても140キロ超をマークするも、限界だったか。 ×
滋賀学園
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 健大高崎 11 総合力でほぼ互角。札幌第一は捕手の守備がやや弱点で、健大高崎の機動力にどう対抗するかが興味深い。一方で健大高崎の投手陣は、札幌第一打線の力なら打ち崩せそうな気もする。投高打低と言われるセンバツだが、この試合は両チーム5点以上取る可能性も十分ある。 札幌第一が序盤のチャンスを逃し、試合が一気に傾いた。札幌第一が慎重な打撃に徹したのに対し、健大高崎は甘い球を逃さず積極的に打っていき、試合の流れをつかんで離さなかった。
札幌第一

仙台育英 仙台育英がやや有利。福井工大福井は摺石・加藤の昨秋公式戦の防御率がともに3点台中盤だが、この数字ほど悪いわけではない。仙台育英は左腕・長谷川が大崩れしにくく安定しているが、力のある福井工大福井打線がこじ開けて打ち合いに持ち込めば勝機は十分ある。 7回あたりから球が浮き始めた長谷川だが、仙台育英ベンチに動く気配なし。福井工大福井が逆転する図が容易に想像できた。夏に向けた布石? 長谷川完投は理解に苦しむ采配だった。 ×
福井工大福井

秀岳館 11 投打とも秀岳館が上回る。強打堅守の秀岳館に対し、高田商のエース・古川がコーナーを突くいつもの投球ができるか、持ち前の機動力野球が発揮できるかがカギ。古川の制球次第では一方的な試合展開もあるが、低めに集めて秀岳館打線の爆発を食い止めてペースを握りたい。 高田商は序盤の積極攻撃が奏功せず、焦りからか守りのミスの連鎖が起こり一気に流れが秀岳館に傾いてしまう。序盤に1点でも取れていれば、また違った展開になっていたかもしれない。
高田商

作新学院 夏春連覇を狙う作新学院がやや有利。3〜4点を争う勝負になると予想するが、作新学院の左腕・大関の出来が勝敗を左右しそうだ。作新学院は秋の打撃成績は平凡だが、機動力を含めた攻撃力は高いので、帝京第五としては守りからリズムを作って得意の展開に持ち込みたい。 帝京第五としては、岡元の不調が大誤算。さらに攻撃でもバント失敗が相次いで、得意の形に持ち込む前に自滅してしまった。作新学院は多彩な攻撃で、大関としても投げやすかった。
帝京第五

神戸国際大付 神戸国際大付がやや有利。左腕・黒田と右腕・安田、昨秋は与四球が少なく安定していた両投手による投手戦が予想される。逆に言えば、緊張などにより制球を乱すと一気に崩れる危険性もある。攻撃力では神戸国際大付が上回るので、わずかなスキを突くことができると見る。 黒田は低めのチェンジアップを巧みに生かして10奪三振、安田はテンポ良い投球で打たせて取り、両投手とも存分に持ち味が出た。失策で急転直下のサヨナラとなったが、見ごたえある試合だった。 ×
東海大福岡

早稲田実 初戦に強い両チームによる好カード。早稲田実としては、3番清宮、4番野村の後を打つ5番打者がカギ。昨秋は主に小西が務めたが、ここで切れることも多かった。明徳義塾としては、野村の敬遠も辞さないだろう。甲子園優勝経験監督同士の采配が楽しめそうな試合。 早稲田実としては5番小西は5打数無安打に終わるも、9番野田が4打点でラッキーボーイになった。9回表は2死の場面で投ゴロを捕り損ねて3番清宮に回り、一気に球場の雰囲気が変わってしまった。
明徳義塾

静岡 12 投打とも静岡が上回る。左腕・池谷を中心として投手力に自信を持つ静岡だが、攻撃型の不来方としては、先取点を奪って気持ち良く投げさせないことが勝利の絶対条件となる。守備に不安のある不来方としては、後手に回る試合展開だと相当厳しい。ぜひ先攻を取りたい。 4番投手・小比類巻のタイムリーが出て理想的な形で先取点を奪った不来方だったが、直後に自らの失策から5失点を喫してプランが崩れてしまう。それでも最後まで食らいつく姿は非常に良かった。
不来方

大阪桐蔭 11 大阪桐蔭がやや有利。今年の大阪桐蔭は、優勝した過去チームのような圧倒的な打力はないが、宇部鴻城も投手陣に絶対的な自信はない。5点前後の勝負を予想する。宇部鴻城としては、早稲田が打たせて取る投球をし、嶋谷らの好守備で勢いに乗る展開が理想的だ。 思ったより大差に。宇部鴻城は守りから崩れ、早稲田が1死も取れずまさかのKO。嶋谷も攻守に精彩を欠いた。地に足がついてきた試合後半には良い野球も垣間見られたのだが…。大阪桐蔭は盤石の勝利。
宇部鴻城
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
2回戦 履正社 総合力で履正社が上回る。1回戦で両エースとも160球以上の熱投となり、回復具合も気になるところ。履正社打線はスイングが鋭く打球の速度もあるが、池田が1回戦のように制球良くインコース攻めができるかがカギとなる。この制球が乱れると大差ゲームになる恐れがある。 池田は1回戦に引き続き配球を工夫し、履正社打線に的を絞らせなかった。履正社の竹田は必ずしも絶好調とは言えなかったが、市呉打線は当てただけの打撃が多く、得意の機動力も使えなかった。
市呉

盛岡大付 戦力的にはほぼ互角。初戦で完封の松本が、同10得点の盛岡大付打線を相手にどこまでやれるかが見もの。同時に盛岡大付は投手陣の立て直しも必要だが、昨夏甲子園から4試合連続で打撃戦を演じている盛岡大付が、打撃戦を制すると予想する。試合が落ち着くと不利になりそうだ。 智弁学園の松本は外角の直球が冴え、盛岡大付の三浦瑞は1回戦より制球力が良かった。5回までは投手戦となったが、後半徐々に打力の差が出た。随所で両チームの好守も光った好ゲームだった。
智弁学園

報徳学園 本来の戦力では前橋育英がやや有利、しかしベンチ外となった秋のエース・吉澤を差し引くとほぼ互角。1回戦で緩い球に的確に対応した報徳学園打線が、初戦で3投手が140キロ台を計測した前橋育英投手陣に対応できるか興味深い。初戦の守備陣の動きを見て報徳学園勝利を予想。 前橋育英は初回、記録に残らない守りのミスがきっかけとなり4失点。前橋育英にとっては重い失点となってしまう。報徳学園の西垣は内外角の揺さぶりにフォーク・スライダーが冴えわたった。
前橋育英

福岡大大濠 福岡大大濠がやや有利。滋賀学園は、初戦で出番のなかったエース・神村や192球投げた棚原をどう起用するのか興味深い。滋賀学園が勝つ場合は僅差ゲームになりそうで、点の取り合いの展開は福岡大大濠のほうに分があると見る。滋賀学園としては終盤勝負に持ち込みたい。 滋賀学園は公式戦初先発の宮城の起用が当たり、序盤のピンチを切り抜けて理想的な試合展開に持ち込んだが、あと一歩攻めきれない。福岡大大濠も最後まで攻めあぐね、延長15回引き分けに。
滋賀学園

健大高崎 健大高崎がやや有利。初戦で良い出来だった健大高崎だが、投手陣には隙も見られたので、打撃戦の可能性も高そうだ。福井工大福井は、先発が予想される左腕・摺石が初戦のように低めに集める投球ができれば、初戦で11得点の健大高崎にも十分通用すると予想する。 福井工大福井は相手投手の失投を見逃さず2本の長打で豪快に加点し、健大高崎は9回2死2、3塁から意表を突く重盗で華麗に同点に追いつく。一進一退の攻防は、まさかの2試合連続引き分け再試合となる。
福井工大福井

秀岳館 総合力でほぼ互角。両チームとも1回戦では打線が爆発したが、この試合は3〜4点くらいに収まると予想する。秀岳館は初戦で出番のなかったエース・田浦の起用法がカギ。継投のタイミングさえ誤らなければ秀岳館が少し有利と見るが、タイミングを逸すると危ない。 秀岳館は先発した田浦のアクシデントで継投を余儀なくされ、2番手川端は四球連発で冷や汗をかくが、最速148キロの威力ある直球で逃げ切った。作新学院としては、前半にもう1〜2点欲しかったところ。
作新学院

早稲田実 早稲田実がやや有利。テンポ良く打者に考える間すら与えない東海大福岡・安田の投球が、清宮・野村を擁する早稲田実にどこまで通じるかが見どころ。ランナーなしの場面は安田の土俵なので、早稲田実としては早い段階から塁上を賑わせてプレッシャーをかけたい。 不安視された早稲田実の投手陣の悪さばかり出てしまった試合。東海大福岡も相次ぐ守りのミスから、安田のテンポの良さも失われるが、終盤の早稲田実の猛追を振り切って見事に逃げ切った。 ×
東海大福岡 11

大阪桐蔭 11 大阪桐蔭がやや有利。初戦では両チームとも2ケタ得点を挙げているが、その一方で守備陣が非常に安定しており、この試合は投手戦を予想する。大阪桐蔭は長打力を秘めているが、静岡の左腕・池谷が低めに集めればそう失点は喫しないだろう。投手の出来が重要だ。 大阪桐蔭がエース温存策に出たことで、投手戦の予想が大外れ。しかし静岡も満塁でのスクイズ失敗や重盗失敗などで流れを手放す。4番手の根尾が好投した大阪桐蔭が層の厚さを見せつけた。
静岡

福岡大大濠 再試合。本来なら投手陣の層が厚い滋賀学園が有利だが、腰に張りのあるエース・神村の出場が微妙な状況では、攻撃力で上回る福岡大大濠がこの試合も有利だろう。福岡大大濠の三浦は好投に期待できるが、棚原・宮城の滋賀学園投手陣が中1日でどこまでの投球ができるかに注目。 苦しい台所事情の滋賀学園は、光本が公式戦初登板、しかし甘く入った変化球を狙われて失点してしまう。三浦は立ち上がりこそやや制球に苦しむがすぐに立ち直り、貫録の投球と言ってよい内容だった。
滋賀学園

福井工大福井 再試合。今度は打撃戦を福井工大福井が制すると予想する。前の試合で200球近くを投げた両エースの調子は読みにくいが、控えの小野・竹本がイマイチ頼りなかった健大高崎は苦しいやりくりになりそう。ただし健大高崎の機動力対策は再度練り直しが必要だ。 こんな大差になるとは…。健大高崎は甲子園初登板の向井がスライダーを生かして好投、逆に福井工大福井は同じく初登板の加藤・中田で10失点を喫して、前の試合のような終盤勝負に持ち込めなかった。 ×
健大高崎 10
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準々決勝 履正社 神宮王者の履正社がやや有利。履正社投手陣が、火が付くと止まらない盛岡大付打線をどう抑えるか。球威の落ちた直球は外角低めに集めてもはじき返すので、案外田中の直球が有効かもしれない。一方で履正社も打力では負けていない。2回戦で調子を取り戻した三浦瑞だが、まだコントロールミスも多く、履正社としては高めに浮いた球を逃さず捉えたい。打撃戦で継投勝負になれば履正社に分がある。 履正社先発・竹田はテンポ良い投球で低めに集め、さらに内外角を巧みに使い分けて強打の盛岡大付打線に的を絞らせなかった。対照的に盛岡大付は継投が遅れ、失策などで悪くなった流れを変えるすべがなく、一方的に土俵を割ってしまった印象。特に5回裏の守りが惜しまれる。
盛岡大付

報徳学園 福岡大大濠の三浦はスタミナがあり連投にも強いが、さすがに延長15回を投げ切った今回は事情が異なる。休養十分の報徳学園が有利だろう。福岡大大濠としては、先発が予想される報徳学園の西垣から最低4〜5点の援護は欲しいところだが、それには1回戦のように下位打線の活躍も必要となる。西垣が1・2回戦のような投球をするようだと、福岡大大濠としては勝利が難しくなりそうだ。 連投の三浦の登板を回避した福岡大大濠としては攻撃でリズムをつかむ必要があったが、逆に報徳学園に重盗などで公式戦初登板の3投手がとことん揺さぶられた。報徳学園のしたたかさが目立った試合だが、福岡大大濠もあまり調子の良くない西垣をKOするなど意地を見せた。
福岡大大濠

秀岳館 疲労が残る健大高崎の不利は否めないが、2回戦再試合で伊藤ら3投手を温存できたのは大きい。一方秀岳館は田浦の指の状態が気がかりなのと、2回戦での川端の制球難もちょっと引っかかる。秀岳館としても不安要素のある試合と言えそうだ。健大高崎が足でかき回す展開にはなりにくいと見る。ここまで両チームとも長打で試合を決めるケースが多く、コントロールミスを的確に長打にできるかがカギ。 熱投から中2日での登板となる伊藤のコントロールミスを、秀岳館打線が的確に長打とした試合。川端も制球が良いわけではなかったが、1・2回戦と同様直球に威力があり、健大高崎打線はかえって荒れ球の対応に苦しんだ。秀岳館は田浦を温存できたことも大きい。
健大高崎

大阪桐蔭 東海大福岡のエース・安田が大阪桐蔭打線にどこまで通用するかが最大のポイントだが、3失点以内に抑えるのは厳しく、5〜6点は取られると見る。一方東海大福岡打線はそれほど強力ではないが、2回戦では甘い球を逃さず15安打11得点。しかし2回戦で継投策に失敗した大阪桐蔭は、同じ失敗を繰り返さないと予想。根尾→徳山の継投なら失点を抑えることができるのではないだろうか。 8失点した2回戦に比べ安田は持ち味を出すことができたが、大阪桐蔭も三盗やランナー3塁からのエンドランで揺さぶって気持ち良く投げさせないよう工夫を見せた。徳山は先に失点を許さず、全体的に東海大福岡打線をねじ伏せた。点差以上に大阪桐蔭の強さが見られたという感想である。
東海大福岡
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準決勝 履正社 決勝まで3連戦となる両校、控え投手の先発が想定されるが、2枚目以降の投手陣の力量において履正社が優位と見る。今大会の登板はないが、松井・田中ともに試合を任せられる力量がある。報徳学園としては、準々決勝でエース・西垣の調子があまり良くなかった点も不安だが、打撃陣には当たりが出ているので打撃戦に持ち込みたい。履正社もプロ注目の3番安田に当たりが出てきたので、持続できれば打ち勝てるだろう。 先発した松井が予想より早く降板、さらに3回途中から救援した報徳学園の池上が予想以上の好投。試合展開自体は予想とだいぶ違っているが、緊張する場面での同点スクイズ、さらに報徳学園のミスを呼び込む圧力、このあたりはさすが神宮王者の履正社と感じた。報徳学園としてはその9回の守備が悔やまれるところ。
報徳学園

秀岳館 こちらも控え投手の先発が想定される。準々決勝で登板しなかったエース・田浦が残っている秀岳館に対し、2回戦で横川・香川2人で1イニング6失点を喫した大阪桐蔭の継投には不安が残る。根尾が長いイニングを投げられるかどうかがポイントだが、力投タイプだけに先発した場合は中盤以降が心配だ。準々決勝で健大高崎の揺さぶりに動じなかった秀岳館だが、それでも大阪桐蔭はあらゆる手で揺さぶりたいところ。 連投となる大阪桐蔭先発・徳山は、これまでの登板と比べて球威にはやや欠けたものの低めへのコントロールが抜群で、秀岳館打線は準々決勝までの3試合で見せたような長打攻勢に持ち込めなかった。低めにさえ集めることができれば、どんな打線でもそうは打てないということを改めて思い知らされた試合となった。 ×
大阪桐蔭
決勝 履正社 史上初の大阪対決となった。雨天順延により3連投は避けられたので、竹田・徳山の両エースの先発を予想する。中1日となって投手陣の調子がどうなるかはたいへん読みにくいが、打線には明確に差がありそう。履正社としてはここ2試合で3番安田の調子が上がっているのが好材料で、準々決勝までわずか2安打に抑えられていた4番若林も準決勝で2安打1四球と上向きだ。打線の調子において履正社が上回ると見る。大阪桐蔭としては、1番藤原と4番山本にもう少し当たりが欲しい。もしかするとだが、打順の組み替えもあり得るかもしれない(順延により文章若干変更あり)。 大阪桐蔭は、不振だった藤原にいきなり先頭打者本塁打が出て波に乗った。竹田は高めに制球ミスした球をことごとく本塁打にされ、対照的に徳山は今まで通りインコースの直球とアウトコースのスライダーを軸に配球を組み立てて履正社打線に的を絞らせなかった。8回裏せっかく同点に追いついた履正社だが、投手交代が遅れて致命的な5失点を喫してしまう。逆に大阪桐蔭は徳山への代打が2ラン本塁打になり采配が当たった。 ×
大阪桐蔭




 

大会を終えた感想

 23/31で、試合ごとの的中率は.742。過去最低だった昨年センバツからV字回復、昨夏とほぼ同水準の的中率となった。比較的順当に進んだ大会だったのが要因と考えられます。

 大会前から、好投手が少ないために打高投低が予想された。ふたを開けてみれば想像以上で、総得点333点、総安打数608本はセンバツ史上最多。どちらかのチームが2ケタ得点を挙げた試合が10試合もあり、まるで夏の選手権のような打高投低ぶりとなった。

 昨年に引き続き、ベスト4がすべて西日本勢が占めた。出場校の枠が西日本優遇であることを差し引いても、センバツにおいては最近2年は西日本勢の好調が目立つ。ただ今大会の中国・四国勢は合計1勝のみであり、近畿・九州勢の好調ぶりが際立った。

 優勝したのは大阪桐蔭(大阪)。5年ぶり2回目のセンバツ優勝で、夏を含めると6回目の優勝となった。6回の決勝進出で負けがない(準優勝がない)のも目立つ。

 2月に正捕手の岩本が骨折するというアクシデントがあり、高校では一塁を守ることが多い福井が代役でマスクをかぶった。捕手はもっとも替えがききにくいポジションと言われるが、捕手から乱れたというシーンはほとんど見られず、むしろ盗塁刺や好リードのほうが目立った。代打など途中出場の選手の活躍も見られ、かつて見られたスター選手依存型から確実に脱却して、控えも含めた総合力のチームになったという印象だ。



 

管理人が選ぶ印象に残った試合

順不同で、春は5試合ピックアップします。あくまで「印象に残った試合」なので、接戦の好ゲームとは限らず、大差ゲームであることもあります。5試合に絞ってはいますが、もちろんほかにも良いゲームはたくさんあります。

  • 1回戦 履正社12−5日大三
  • 8回まで5−5同点の手に汗握る好試合。9回表に2死2塁からのヒットがわずかに本塁セーフとなり、一気に履正社に流れが傾いた。審判のミスもあったが、それが吹き飛ぶほどの好ゲームだった。

  • 1回戦 盛岡大付10−9高岡商(延長10回)
  • 昨夏甲子園で好投した三浦が乱調で4回途中降板、一方の土合も熱中症で降板と乱戦になる。延長10回表に高岡商が1点勝ち越すが、その裏高岡商に守りのミスが出て逆転サヨナラとなった。

  • 1回戦 早稲田実5−4明徳義塾(延長10回)
  • 早実1点ビハインドの9回2死、2番横山の投ゴロを北本がはじき2死1、2塁。これが3番清宮の無言の圧力なのか? ここから連続四球で同点、延長で勝ち越し、神がかり的な逆転劇だった。

  • 2回戦 健大高崎7−7福井工大福井(延長15回)
  • 派手な打ち合いで7−6と工大福井1点リードで迎えた9回裏、2死2、3塁でトリックプレーの重盗で同点のホームを踏む。ここから疲労もある中両軍投手陣が踏ん張り、6イニング0行進で引き分けに。

  • 決勝 大阪桐蔭8−3履正社
  • 5回までノーヒットの履正社打線が8回裏に目を覚まし、4安打を集中して同点に追いつくも逆転はならず。9回表にエース徳山に代打西島が送られ2ラン本塁打。大阪桐蔭の試合巧者ぶりが上回った試合。

    印象に残った試合 皆様の投票結果

    1位 2回戦 健大高崎 7−7 福井工大福井 16
    2位 2回戦 秀岳館 3−2 作新学院 14
    3位 2回戦 福岡大大濠 1−1 滋賀学園 12
    4位 2回戦 東海大福岡 11−8 早稲田実 8
    4位 決勝 大阪桐蔭 8−3 履正社 8
    6位 1回戦 早稲田実 5−4 明徳義塾 7
    6位 2回戦 大阪桐蔭 11−8 静岡 7
    8位 準決勝 大阪桐蔭 2−1 秀岳館 6
    9位 1回戦 報徳学園 21−0 多治見 5
    9位 1回戦 盛岡大付 10−9 高岡商 5