2006(平成18)年 春のセンバツ予想


出場校評価  ベスト8予想  各試合予想  大会を終えた感想  

出場校評価

地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
北海道 旭川実 北海道 3年ぶり2回目
北海道栄 北海道 25年ぶり4回目 (A) (A) (A) (A) (A) (A)
東北 秋田商 秋田 2年ぶり5回目
光星学院 青森 8年ぶり3回目
関東 成田 千葉 初出場
高崎商 群馬 7年ぶり2回目
東海大相模 神奈川 2年連続7回目
横浜 神奈川 3年ぶり11回目
東京 早稲田実 東京 18年ぶり18回目
東海大菅生 東京 9年ぶり2回目
北信越 高岡商 富山 18年ぶり3回目
日本文理 新潟 初出場
東海 岐阜城北 岐阜 初出場
愛知啓成 愛知 初出場
地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人
近畿 履正社 大阪 初出場
智弁和歌山 和歌山 3年ぶり7回目
京都外大西 京都 8年ぶり6回目
PL学園 大阪 7年ぶり19回目
北大津 滋賀 初出場
神港学園 兵庫 11年ぶり4回目
中国 関西 岡山 2年連続8回目
岡山東商 岡山 28年ぶり8回目
南陽工 山口 6年ぶり3回目
四国 小松島 徳島 5年ぶり2回目
今治北 愛媛 初出場
九州 清峰 長崎 初出場
八重山商工 沖縄 初出場
延岡学園 宮崎 3年ぶり2回目
伊万里商 佐賀 初出場
21世紀 真岡工 栃木 初出場
金沢桜丘 石川 53年ぶり3回目
希望枠 一関学院 岩手 初出場
日 刊 報 知 サンスポ スポニチ デイリー 管理人



10



17 21 19 21 20 15



10

※駒大苫小牧が出場辞退し、北海道栄が代替出場。評価は駒大苫小牧のもの。  

ベスト8予想

ブロック 高校 予想 結果
神港学園−南陽工
小松島−成田
打より投に自信を持つチームが揃っている。投手力を考えると、唐川を擁する関東大会王者の成田が半歩リードする。あとは打線次第といったところか。神港学園は投打にバランスが取れており、さらに地元の利もある。四国大会王者の小松島がこれを追う。 神港学園
(2)
智弁和歌山−伊万里商
一関学院−岐阜城北
智弁和歌山が大本命。打撃力はもちろんのこと、今年は昨年に比べると投手力もある。8強はもちろん、上位進出を狙うことができそうだ。東海大会王者の岐阜城北は、エース・尾藤の投球がカギ。尾藤の投球次第では十分に8強入りも可能。 岐阜城北
(2)
横浜−履正社
八重山商工−高岡商
激戦ブロック。関東大会では4強止まりだったが、総合力では横浜が一歩リードする。近畿大会王者の履正社は投手陣の踏ん張り次第では上位進出も見える。他の2校はともに今大会ではダークホース的存在。過去の実績には乏しいが、決して侮れない存在。 横浜
(1)
光星学院−関西
早稲田実−北海道栄
強豪が揃う。好投手・斎藤を擁する早稲田実がわずかに優位に立つ。打線の援護が8強入りのカギとなる。関西は2枚の好投手に加えて打力もあり、大会でも上位進出を狙える立場にある。光星学院も投打にまとまりがあり、実力は高い。 早稲田実
(1)
北大津−旭川実
日本文理−高崎商
本命不在で混戦模様。今大会で大本命だった駒大苫小牧と1点差の接戦を演じた旭川実が本命か。複数の投手を擁し、打力も高い。日本文理は投手力があり、新潟県勢センバツ初勝利を挙げる実力を持つ。高崎商も同じく投手力で勝負したい。 日本文理
(2)
岡山東商−清峰
東海大相模−京都外大西
実力の高い高校が揃う。投打のバランスを考えると、九州大会王者の清峰が一歩リードする形。昨夏の準優勝投手・本田を擁する京都外大西がこれを追う。打撃力では東海大相模がこのブロックではNo.1。それぞれ長所が異なるチームがいて面白いブロック。 清峰
(1)
PL学園−真岡工
金沢桜丘−愛知啓成
ここは好投手・前田を擁するPL学園が本命。ただし打線は弱体なので、21世紀枠2校を含む他の3校にも十分チャンスはあるだろう。その中で、愛知啓成は投打にバランスが取れており、対抗馬になりそうだ。21世紀枠の2校はのびのび野球で勝ち進みたい。 PL学園
(1)
今治北−延岡学園
秋田商−東海大菅生
紙一重で東海大菅生がリードか。東京大会で打率.383の打線は驚異で、エース・薦田の投球にも期待できる。東北大会王者の秋田商も差はわずかだが、打力でやや劣るか。しかし、夏より春に強い高校ではある。他の2校にも勝ち抜くチャンスは十分にある。 秋田商
(2)

 

各試合予想

※勝つと予想した高校が上段となっています。

回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 神港学園 総合力で神港学園がやや有利。南陽工のエース・仲野と神港学園打線の戦いになりそうだ。南陽工が勝つとすれば、おそらくロースコアの接戦という形になるだろう。神港学園としては序盤のうちに点を取りたい。南陽工としては、終盤まで1点差以内で食いつけば面白い。 お互いに走塁面でのミスが続出し、ランナーを出しながらもホームが遠い試合。それでも神港学園のほうは、長打攻勢で序盤から着実に加点した。南陽工打線は、中盤まで林の変化球に全く合わなかった。
南陽工

成田 どちらも投手を中心とした守りのチームで、締まった好ゲームに期待。どちらも複数の投手を持つが、投手力では2年生の好投手・唐川を擁するやや成田が上回るか。打線は両チームとも強力とは言えないが非常に粘りがあり、終盤に思わぬ逆転劇があるかもしれない。 中盤まで0−0ではあったが、小松島打線は唐川に手も足も出ず、成田打線は安達を打ち崩せそうで打ち崩せないという展開。内容的には終始成田ペースだった。唐川は今後に期待が持てる投球。
小松島

智弁和歌山 投打とも智弁和歌山が上回る。打撃戦・乱戦になると伊万里商としては苦しい。最悪でも3点以内に抑え込み、投手戦に持ち込むことが伊万里商勝利のカギ。しかし智弁和歌山は昨年よりも投手力があるので、ノーガードの打ち合いになるとは考えにくく、やはり智弁和歌山が有利だろう。 智弁和歌山打線が湿っていた。伊万里商は背番号3の技巧派右腕・多久島が先発し、四死球や失策でチャンスをたくさんもらったが、長打なしの9安打で4点のみ。だが智弁和歌山はエース・竹中の投球が素晴らしかった。
伊万里商

岐阜城北 どちらも好投手を持ち投手戦に期待できるが、打撃力の差で岐阜城北が有利。しかし岐阜城北は守備力に不安を持っており、エラー絡みで自滅するようだと苦しい。一関学院は打力が低いので、最後は岐阜城北の打撃力が物を言うと予想するが、ロースコアだと何が起こるか分からない。 一関学院はわずか1安打ながら、岐阜城北のエース・尾藤の暴投で1点をもらい、1−0でリードしていた。岐阜城北打線も8回まで2安打だったが、最終回にドラマが待っていた。手に汗握る好ゲームだった。
一関学院

横浜 1回戦最大の好カード。履正社は近畿大会王者で、横浜は関東大会4強止まりではあるが、投手力において横浜が上回っている。とはいえ横浜の投手力も万全ではなく、打撃戦が予想される。どちらも打撃のチームだが、打撃力は甲乙つけ難い。シーソーゲームに期待したい。 勝敗は予想通りだが、投手戦になったのは完全に予想外。両チームとも、球審の判定に戸惑っていたせいもあるかもしれない。横浜の川角は変化球をうまく使い、履正社の魚谷は緩急をつけた投球が光った。
履正社

八重山商工 今大会台風の目というべき両校の対戦で、なかなかの好カード。投手力は高岡商、打撃力は八重山商工が上回る。八重山商工は守備陣にも不安があり、やや波があるエース・大嶺が乱調だと一方的な展開で敗れることもありそう。しかし八重山商工打線は勢いづくと止まらなそうだ。 スコアは接戦だが、内容に差があった。大嶺は直球に球速と威力があり、高岡商打線は完全に力負けしていた。ベース踏み忘れで得点を逃したのも痛い。投手陣も八重山商工打線の勢いを止められなかった。
高岡商

関西 関西はダース・中村、光星学院は桑鶴・村松とともに2枚の好投手を持ち、白熱した接戦に期待が持てる。全国経験の差で少し関西が上回るか? 昨夏に悔しい大逆転負けを喫したダースが、どこまで成長しているかに注目したい。光星学院は機動力攻撃に活路を見いだせるか。 ダースは崩れそうで崩れず、中村の救援を仰がずに完投。ダースは荒れ球が逆に功を奏したかもしれない。桑鶴はそれほど悪くなかったが、関西打線が想像以上に力強かった。期待通りの熱戦だった。
光星学院

早稲田実 総合力で早稲田実が上回る。実力差もさることながら、代替出場の北海道栄は精神的な面も不安が残る。北海道栄は投手の枚数こそ多いが絶対的な柱は不在。好投手・斎藤から先取点を奪い、細かい継投で逃げ切るような展開なら勝機はある。早稲田実・斎藤のピッチングには要注目。 北海道栄としては1回裏の1死満塁で得点が欲しかった。地に足がつく前に5点を失ったが、3回以降は持ち味を発揮して互角の試合展開。できれば先攻を取りたかったか? 斎藤はさすがのピッチング。
北海道栄

旭川実 投打とも少しずつ旭川実が上回る。両チームとも複数の投手を擁しており、誰を先発で起用するか読みにくい。継投策にも注目が集まる。旭川実は駒大苫小牧の田中を攻略したように、本格派投手には強い印象。軟投派投手の先発で、北大津にも勝機はあると見る。 秋季大会で大阪桐蔭打線を封じ込めた真田が本領を発揮した。左横手から粘り強い投球で、旭川実打線は引っ掛けることが多く、右打者は右方向への打撃ができなかった。とにかく真田の投球に尽きる。 ×
北大津

日本文理 戦力的にはほぼ互角。栗山・横山と2枚の好投手を持ち、打率4割を誇る強力打線を持つ日本文理がわずかに上回ると見る。ただ、投手の安定感は高崎商の左腕・石川が勝る。日本文理打線は石川の術中にはまらないよう注意。栗山・横山としては四死球からの自滅に気をつけたい。 先発栗山を5回までであっさり見切り、横山へ継投したのが好判断。高崎商の追加点を阻んでいる間に勝ち越した。日本文理打線は6安打ではあったが、シャープな打撃が目立った。新潟県勢はセンバツ初勝利。
高崎商

清峰 11 総合力で清峰が上回る。清峰は左腕有迫・右腕富尾の2枚看板が鉄板で、打率4割超の強力打線がこれを援護する。岡山東商はエース・秋山が大黒柱で、勝つには少ない点差で守り勝つしかないところ。両投手とも制球力にはやや難があるので、打線はこれを生かした攻撃が求められる。 想像以上の四死球合戦に。秋山は足がけいれんしたらしく、さらに2つの与死球で外角への球が多くなった。そこを見逃さなかった清峰の集中打はさすが。岡山東商は2安打と封じられたのが痛かった。
岡山東商

京都外大西 投手力は京都外大西、打撃力は東海大相模が上回る。京都外大西は昨夏準優勝の投手陣に期待したい。対する東海大相模は長打力が自慢で、昨秋はふるわなかった京都外大西の本田をとらえる力はある。京都外大西の投手陣がひと冬越えて、本来の投球ができるかがカギになるだろう。 北岡・本田ともに昨夏ほどの投球内容ではなかった。東海大相模の長打は防いだが、終盤は防戦一方に等しい試合展開に。京都外大西は打線もふるわず、決定打のない東海大相模投手陣を打てなかった。 ×
東海大相模

PL学園 総合力でPL学園が上回る。戦力差はあるが、PL学園は決して打線が強いチームではないので、真岡工としてはエース・西山がPL学園打線相手に最少失点でしのげば勝機はある。真岡工も打線は弱いので、PL学園の前田から3点以上取るのは苦しい。とにかく投守の踏ん張りが必要だ。 PL学園打線は7安打ではあったが、四死球や失策でランナーがたまったところで戸沢の3本の長打が非常に効いた。1年夏の甲子園も経験している前田は16奪三振完投で、圧巻の投球だった。
真岡工

愛知啓成 金沢桜丘は21世紀枠ではあるが実力は高く、戦力的に大差はない。中でも最速141キロのエース・太田の投球に注目。対する愛知啓成のエース・水野は安定感抜群。まずこの2人の投手戦に期待だが、攻撃力はやや愛知啓成が上回る。機動力を使った攻撃も軽視できないところ。 期待した通りの投手戦。8回までは1−1だったが、9回は両チームの失策が非常に重い意味を持ってしまい、そのたびに流れがガラリと変わった。最後は愛知啓成の粘りが一枚上回ったか。
金沢桜丘

延岡学園 戦力的に延岡学園がやや上回るが、エース大西のひじ痛は不安要素。山田の先発や山田への継投は十分考えられる。今治北は投手力に不安が残るが、打線は力強い。大西が本調子でないようだと、打ち込まれる危険性がある。延岡学園としては、打線の援護が必要になりそうな試合。 大西はやはり本調子ではなかったが、それにしても守りのタイムは全然取らないし、継投も遅すぎた。明らかに采配ミス。今治北の集中打はさすがだが、エース・西原の粘投も乱戦の中では光った。 ×
今治北 12

東海大菅生 10 総合力で互角。打撃力は東海大菅生、投手力は秋田商が上回る。どちらのエースも打たせて取るタイプで、四死球も少なく安定している。普段通りの投球ができれば1点を争う好試合になりそうだ。東海大菅生打線は要注意。秋田商のエース・佐藤は低めに球を集めたい。 秋田商は5回途中で佐藤を交代させる決断が功を奏した。逆に東海大菅生は薦田を引っ張りすぎたか。両投手とも予想外に不調だったが、それよりも両チームの打線の積極的なバッティングが素晴らしかった。 ×
秋田商 11
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
2回戦 成田 投手力は成田、打撃力は神港学園が上回る。成田のエース・唐川対神港学園打線の対決になりそうだ。神港学園は1回戦で意表を突く林先発で完封しているが、誰が先発するか非常に絞りにくい。初戦で13安打3得点だった成田は、チャンスで勝負強い打撃を見せたい。 成田打線はまたしても9残塁で、再三のチャンスを物にできなかった。唐川は神港学園打線を相手にベストピッチだっただけに、悔やまれる。神港学園は山口が先発し、救援で登板した林は不調に見えた。 ×
神港学園

智弁和歌山 打撃力は智弁和歌山、投手力は岐阜城北が上回る。智弁和歌山は1回戦で打線がやや不発だったが、エース・竹中は安定。この試合も投手戦になる可能性はあるが、やはり智弁和歌山としては打撃で流れをつかみたい。岐阜城北はエース・尾藤が3点以内に抑えれば面白くなりそう。 智弁和歌山が岐阜城北の勢いに押され、ミスを連発。智弁らしくない野球で、せっかく好投手の尾藤から3回に6点を奪ったのに、その裏あっさり同点に。4回以降立ち直った尾藤はさすがと言うべきか。 ×
岐阜城北 10

横浜 総合力で横浜が上回るが、今大会のダークホースにも挙げられる八重山商工も投打に実力は高く要注意。エース・大嶺が横浜打線を抑え込むようだと試合は面白くなる。横浜打線は1回戦で不発に終わったが、本来は打撃のチームだけに打線の復調が勝利へのポイント。 八重山商工は意表を突いて金城長が先発。それは良いとしても、3点目を取られたあたりで代えるべきでは? 横浜に大量リードを許した後、八重山商工打線が脅威の粘りを見せただけに、余計悔やまれる。
八重山商工

早稲田実 2回戦屈指の好カード。打撃力ではやや関西が上回っており、しかも関西は投手もダース・中村の2枚看板。これに対し早稲田実は斎藤1枚ではあるが、この斎藤の安定感はダース・中村を凌ぐ。どちらかというと投手戦になりそうだが、最後は斎藤の安定感と投球術が生きると見た。 両投手が思ったよりも制球を乱して乱調で、予想外に点の取り合いになった。関西の9回裏の粘りは見事。10回以降は斎藤・ダースの意地の投げ合い。このハイレベルな対戦がもう1試合見られるのは嬉しい。
関西

日本文理 投打とも日本文理が少しずつ上回る。日本文理の栗山・横山の実力から考えて、北大津打線を3点以内に抑えることは十分に期待できる。焦点は北大津投手陣対日本文理打線。相変わらず北大津は誰が先発するか読みにくいが、日本文理としては大振りだけは避けたいところ。 北大津はこの日も真田が先発したが、旭川実戦とは打って変わって安定しない投球。これに対し日本文理は、エース・横山の登板で攻守のリズムが良くなった。両投手の調子の差がそのまま勝敗を分けた。
北大津

清峰 好カード。投手力は清峰、打撃力は東海大相模が上回る。1回戦の戦いぶりをみると、清峰投手陣はいまひとつ調子が上がらず、東海大相模投手陣はよく抑えた。清峰の有迫・富尾の調子は気がかりだが、逆に1回戦で露呈した欠点を修正すると予想。東海大相模は序盤に点を多く奪いたい。 有迫はこの日も10四死球と荒れたが、かえって強打の東海大相模打線を惑わせたか? 東海大相模のエース・高山もベストピッチ。緊迫した投手戦で延長戦に突入したが、実力差のない試合だった。
東海大相模

PL学園 戦力的にはわずかにPL学園が上回る。PL学園の前田、愛知啓成の水野による投手戦が予想される。1回戦で9得点のPL学園だが、想像通り打線はあまり強くない印象。水野の力投で流れを引き寄せれば、愛知啓成にもチャンスはある。前田の投打にわたる働きが勝敗のカギか。 試合そのものはむしろ愛知啓成が押している感もあったが、けん制死やバント失敗でチャンスを潰してしまったのが痛い。水野は素晴らしい投球だったが、PL学園は9回にようやく奪った1点を守り切った。
愛知啓成

秋田商 総合力で秋田商が上回る。秋田商のエース・佐藤は、1回戦ではまさかの大量失点。どこまで修正できているかがポイント。本来の投球をすれば、強打の今治北でも多くの点は挙げられないだろう。秋田商打線も1回戦では打ちまくっており、打撃戦の可能性も考えられる。 佐藤は強打の今治北打線をよくかわしていたが、9回は2つの失策もあって3点を失い同点に。流れは今治北にあったが、最後はエース・西原が力尽きた。今治北は序盤に得点を奪えていれば、と惜しまれる。
今治北

早稲田実 延長15回引き分けの再試合で連戦なので、投手を2枚持つ関西が有利とも思えるが、前日の試合を見る限り早稲田実打線のほうが中村・ダースをとらえていた印象がある。早稲田実のエース・斎藤の調子次第で試合はどちらにも転びそうだ。あるいは、控え投手の先発もあるか? 斎藤・中村の両投手は連投の中でよく投げた。終盤関西打線が火を噴いて逆転するが、9回表に右翼手・熊代の後逸でまさかの再逆転。最後の最後の最後まで目の離せない24イニングだった。素晴らしい試合。
関西
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準々決勝 岐阜城北 投手力は岐阜城北、打撃力は神港学園が上回る。神港学園打線としては2回戦に続いて好投手との対戦だが、岐阜城北打線も波に乗っているので、2回戦のようなロースコアでは苦しい。打撃好調な岐阜城北がリードして逃げ切ると予想する。岐阜城北はここまでエース・尾藤が好調だが、控えの山下も好投手。神港学園も数枚の投手を持ち、お互いに先発投手は読みにくい。手探りの試合になりそうだ。 やはり岐阜城北打線が好調をキープしており、敵失を足がかりに先攻した。3回の3点が重くのしかかり、うまく散らばす尾藤の投球にかわされた。神港学園は4投手の必死の継投も実らず、完封負けは予想外だった。岐阜県勢は47年ぶりのベスト4進出となった。
神港学園

横浜 13 戦力的には大差ないものの、横浜は複数の投手を持ち中1日の休養があるが、事実上斎藤1枚の早稲田実は3連戦。疲労している斎藤が強力打線の横浜を抑えるのはなかなか難しそうだ。2回戦再試合のように塚田が先発したとしても、やはり横浜打線相手は苦しい。横浜も絶対的なエースはいないので、早稲田実打線が5点以上奪うことができれば面白そう。早稲田実としては、追う展開になると厳しいかも。 斎藤にはいつものキレがなく、公式戦の経験が少ない関本・塚田の控え投手陣も勢いに乗った横浜打線は止められなかった。5回までで13点も差が開いてしまい、早稲田実の選手は士気阻喪寸前に見えた。計算できる投手を最低2枚育成することの大切さを改めて思い知らされた。
早稲田実

清峰 総合力で清峰が上回る。日本文理は栗山・横山の継投で失点を最小限に抑えることが必要だが、ここまでの戦いぶりを見る限り、栗山を引っ張ることは危険と思われる。展開次第では、早いイニングから横山を投入することが重要になるだろう。清峰のエース・有迫は荒れ球で的が絞りにくく、好調な日本文理打線といえども苦戦は必至。四死球でチャンスを作り、足で揺さぶるような展開になれば勝利も見える。 有迫が2四球しか出さず、日本文理打線は最後まで攻略の糸口がつかめなかった。継投もワンテンポ遅いように見えた。栗山の調子が非常に良かったとはいえ、バント処理の連続ミスでピンチが広がった時点で、流れを変える意味でもエース・横山につなぎたかった。日本文理は守りのミスが悔やまれる。
日本文理

PL学園 エースの実力はPL学園、打撃の調子は秋田商に分がありそう。前田が普段通りの投球ができるならば、秋田商といえどもそう簡単に得点を奪うことはできず、PL学園が逃げ切ることができると見る。秋田商のエース・佐藤洋は1回戦で不調だったが2回戦では復調しており、2失点以内に抑えれば秋田商が僅差で勝ちきるシナリオも見える。逆に佐藤が1回戦のような投球だと、非常に苦しくなる。 記録には残っていないが、守備力の差が出た。秋田商としては防げる失点が多く、球際の弱さ・淡泊さが出てしまった。逆にPL学園は、秋田商の終盤の猛反撃に対してよく守り切った。それに加え、エース・前田の投球は今までの2試合と変わらず素晴らしかった。佐藤洋も粘り強くよく投げた。
秋田商
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準決勝 横浜 12 戦力的には横浜が上回るものの、岐阜城北のエース・尾藤も打線もともに好調で、決して楽観視できない相手。中1日と間隔が短いため、両チームとも控え投手の先発は十分に考えられる。横浜が序盤からリードすると岐阜城北は苦しい。岐阜城北としては何としても先制点を奪い、山下・尾藤の継投で逃げ切るような展開が理想的か。横浜打線も好調ではあるが、ブンブン振りして長打ばかり狙うようだと尾藤のスライダーの攻略は難しくなる。 雨天順延で中2日になったことで山下の先発を取り止め、エース・尾藤を先発させた岐阜城北だが、この選択は疑問。スタミナ面はもちろんのこと、2人の精神的な面はどうだったか。ふたを開けてみれば尾藤には球のキレが全くなく、好投手・山下には粘りが欠けていた。横浜打線は全くそのスキを見逃してくれず、エース・川角の温存にも成功した。
岐阜城北

清峰 エースの実力はPL学園が上回るが、打撃力・控え投手の存在・その他の面では清峰が上回る。雨天順延の影響で連投は避けられたが、それでも中1日。富尾という優秀な投手が控える清峰が有利と思われる。打撃力でも清峰に分があるが、準々決勝では4安打と沈黙しているのは気がかり。PL学園のエース・前田がどれだけ疲労回復しているかがこの試合の重要なカギを握る。個人的には、前田はある程度失点するものと予想する。 想像以上に前田の調子が悪く、先制点を挙げた清峰が効率良く追加点を重ねた。打撃陣も息を吹き返した感がある。清峰のエース・有迫はまたしても球が適度に荒れていて、打力で劣るPL学園としては厳しかった。結局富尾が登板することなく有迫が2安打完封。正直なところ、ここまで差が開くとは思っていなかった。
PL学園
決勝 横浜 21 準決勝で川角を62球で引っ込め、しかも控えの3投手も試しながら勝ち上がっている横浜。これに対し清峰は2回戦以降は有迫が3試合連続完投。まず投手の疲労度の面で清峰には不安が残る。打撃力でも横浜が上回っており、清峰としては準決勝で好調だった打線に期待するところか。まず先制点を奪い、余裕を持って攻撃することができれば、投手陣・守備陣にも好影響を与えそうだ。横浜としては、準々決勝・準決勝のように相手投手の不調につけ込んで序盤から大量点を奪い、相手の戦意を喪失させて一気に試合を決めてしまいたいところ。 点差ほどの実力差がないことは明白なのだが…。有迫の不調で清峰ナインに動揺が広がったことは明らかで、能力の高い2番手・富尾にもそれが伝染してしまった。打っては3安打、守っては3失策の上に盗塁され放題、投げては17与四死球で21失点…。この試合単体で見ればどうにもならないが、やはり富尾をもっと使って勝ち上がってくるべきだったと思われる。実力の半分も出せずに一方的に押し切られてしまったのは悔いが残る。
清峰
 

大会を終えた感想

 25/31で、試合ごとの的中率は.806。私は横浜・智弁和歌山以外の優勝はほぼないと見ており、その智弁和歌山が2回戦で敗退する波乱があったが、準々決勝以降は順当な試合結果がだったので高い的中率となった。

 実績のある横浜・PL学園のほかに、新鋭の清峰・岐阜城北も勝ち上がり、新旧入り混じっての激しい戦いになった。岐阜県勢47年ぶりのセンバツ4強入り、長崎県勢春夏通じて初の決勝進出は嬉しい出来事である。ただ、エースに頼り切ったチームがエースの疲労とともに敗れ去るパターンが多く、点差も開いてしまったのは残念である。

 優勝したのは横浜(神奈川)で、8年ぶり3度目のセンバツ優勝。夏を合わせると5度目の優勝となる。1970、1980、1990、2000年代と4つの年代で優勝しており、長い間甲子園の主役であり続けていることを証明する形となった。

 ドラフト1位候補のような絶対的な投手がおらず、渡辺監督が「弱い」と評したチーム。しかしその分控え投手の層は厚く、打撃力も凄まじいものを見せつけた。1回戦、2回戦と苦戦したが、準々決勝以降は相手チームのまずい戦いぶりにも助けられ、スイスイと勝ち進んだ。これほどまでの圧倒的な勢いでの優勝は久しぶりに見た。夏はこの横浜を止める高校が現れるだろうか?