2005(平成17)年 夏の甲子園予想


出場校評価  ベスト8予想  各試合予想  大会を終えた感想  

出場校評価

都道府県 高校名 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ 中 日 管理人
北北海道 旭川工 3年ぶり4回目
南北海道 駒大苫小牧 3年連続5回目
青森 青森山田 2年連続6回目
岩手 花巻東 15年ぶり3回目
秋田 秋田商 2年連続15回目
山形 酒田南 2年連続7回目
宮城 東北 3年連続20回目
福島 聖光学院 2年連続3回目
茨城 藤代 初出場
栃木 宇都宮南 2年連続5回目
群馬 前橋商 19年ぶり3回目
埼玉 春日部共栄 8年ぶり4回目
千葉 銚子商 10年ぶり12回目
東東京 国士舘 初出場
西東京 日大三 3年連続12回目
神奈川 桐光学園 3年ぶり2回目
新潟 新潟明訓 6年ぶり4回目
長野 松商学園 5年ぶり33回目
山梨 日本航空 3年ぶり4回目
静岡 静清工 初出場
愛知 愛工大名電 2年ぶり7回目
岐阜 土岐商 28年ぶり2回目
三重 菰野 初出場
富山 高岡商 10年ぶり15回目
石川 遊学館 2年連続3回目
福井 福井商 2年ぶり16回目
都道府県 高校名 出場回数 日 刊 報 知 サンスポ スポニチ 中日 管理人
滋賀 近江 2年ぶり8回目
京都 京都外大西 2年連続7回目
大阪 大阪桐蔭 3年ぶり3回目
兵庫 姫路工 11年ぶり2回目
奈良 天理 3年連続22回目
和歌山 智弁和歌山 2年連続14回目
岡山 関西 10年ぶり6回目
広島 高陽東 9年ぶり2回目
鳥取 鳥取西 12年ぶり22回目
島根 江の川 2年ぶり7回目
山口 宇部商 3年ぶり12回目
香川 丸亀城西 8年ぶり4回目
徳島 鳴門工 3年ぶり4回目
愛媛 済美 2年連続2回目
高知 高知 24年ぶり10回目 (B) (A) (A) (A) (B) (A)
福岡 柳川 3年ぶり8回目
佐賀 佐賀商 8年ぶり13回目
長崎 清峰 初出場
熊本 熊本工 2年連続17回目
大分 別府青山 初出場
宮崎 聖心ウルスラ学園 初出場
鹿児島 樟南 2年ぶり16回目
沖縄 沖縄尚学 2年ぶり5回目



日 刊 報 知 サンスポ スポニチ 中日 管理人


10 12


23 27 21 24 19 28


16 10 19 18 22 14

※高知は明徳義塾が出場辞退。評価は明徳義塾のもの。  

ベスト8予想

ブロック 高校 予想 結果
高知−日大三
熊本工−前橋商
昨年に比べると投手力においてやや劣るものの、日大三は今年も打線が破壊力満点で、このブロックの中では頭ひとつ抜けた存在。それ以外の3校はほぼ互角。前橋商は投打にバランスが取れている。高知も強いチームだが、代替出場で準備不足が懸念される。 日大三
(1)
駒大苫小牧−
聖心ウルスラ学園
福井商−日本航空
昨夏優勝の駒大苫小牧は、センバツ2回戦敗退とはいえ今大会でも優勝候補。3枚看板の強力投手陣は驚異的だ。福井商も2枚看板の投手陣で、8強進出も十分可能。日本航空も2枚看板の投手陣と強力打線を擁しており侮れない存在。 駒大苫小牧
(1)
銚子商−鳥取西
樟南−花巻東
4校合わせて過去に夏の甲子園出場は49回と、伝統校が揃ったブロック。好投手の遠藤を擁し、中軸もしっかりしていて攻撃にソツがない銚子商が8強に最も近い存在か。樟南は攻撃力の高さが持ち味だが、投手力にはやや不安を抱える。堅守で粘りたい。 樟南
(2)
土岐商−高陽東
丸亀城西
鳴門工−宇都宮南
本命不在の上、実力が接近していて混戦のブロック。ここは最も投打にバランスが取れた鳴門工をプッシュしてみたい。高陽東は投手力が難点だが打力はあり、勢いに乗ったら止められなそう。宇都宮南は2年連続出場で経験豊富。他の2校も差はない。 鳴門工
(1)
青森山田−智弁和歌山
天理−国士舘
別府青山−東北
秋田商−遊学館
3季連続出場で投打に実力を伸ばしている青森山田が本命。エース柳田の投打にわたる働きぶりに期待したい。センバツ8強の天理も3季連続出場で投打ともレベルは高い。東北はスター選手がいなくなったが、まとまりがある。強打の智弁和歌山は投手力が課題。 東北
(3)
近江−桐光学園
聖光学院−佐賀商
京都外大西−菰野
高岡商−関西
投打に中心選手がいて総合力が高い桐光学園を中心とする戦いになりそうだ。これを追うのは投手陣の層が厚く、打線も力強い関西と、中軸に破壊力がある近江の2校か。京都外大西は昨年と同様、打力はないが投手力・守備力が高いチーム。 京都外大西
(4)
大阪桐蔭−春日部共栄
藤代−柳川
済美−旭川工
愛工大名電−清峰
最大の激戦ブロックになった。ここはセンバツ優勝の愛工大名電を本命としたい。投打にスター選手がいる大阪桐蔭も優勝候補の一角だが、接戦に弱い印象あり。柳川は予選46イニングで2失点のエース渡辺が軸。済美は昨夏より打力が劣り、エース福井も不安定。 大阪桐蔭
(2)
宇部商−新潟明訓
静清工−江の川
姫路工−酒田南
松商学園−沖縄尚学
潜在能力が高い選手が揃う、センバツ8強の沖縄尚学が最有力。酒田南は昨夏のエース金本が健在で、投打に力がある好チーム。宇部商はエース好永にかかる比重が大きいチームで、好永しだいでは8強もある。新潟明訓静清工も力があるチーム。 宇部商
(3)


 

各試合予想

※勝つと予想した高校が上段となっています。

回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 鳴門工 14 実力差はない。しかし、宇都宮南のエース・菅間は左肩痛を抱えているため、鳴門工が有利と思われる。宇都宮南は打力があり、打ち合いが予想される。菅間が本来の実力を出し切れれば宇都宮南のほうに分があると思うが、鳴門工のエース・田中暁も昨春の大敗の雪辱に燃えているはず。 田中暁が走者を出しながらも踏ん張り、予想外に大差となった。菅間はやはり本調子には程遠く、鳴門工打線の爆発を許してしまった。宇都宮南としては、もう少し早く継投する手はなかったか。
宇都宮南

青森山田 投手力の差で青森山田が優位に立つ。昨夏、今春と甲子園で2連敗中の青森山田だが、その雪辱に燃えているだろうし、実力も高い。智弁和歌山としては、強打の青森山田打線を5点以内に抑えるのは困難と思われる。青森山田のエース・柳田としては逆に5点以内に抑えれば勝てそうだ。 柳田の調子は良く、左腕から140キロ台の速球を連発したが、それを11安打5得点と打った智弁和歌山打線は見事。ただ、やはり投手陣が踏ん張れなかった。青森山田としては会心の試合と言える。
智弁和歌山

天理 戦力的にはセンバツ8強の天理がやや上回っている。投手戦は天理のほうに分がありそうなので、国士舘としては得意の機動力も絡めて5〜6点くらいの試合に持ち込みたい。国士舘のエース・山形が天理打線を相手にどれだけの投球をするかにより、試合展開がガラリと変わりそうだ。 終盤まで天理ペースのゲームだったが、終盤はミスが相次ぎ同点、そして勝ち越しを許してしまった。国士舘は持ち味の機動力を存分に発揮できた。山形が天理打線を3失点に抑えたのも勝因と言える。 ×
国士舘

東北 総合力で東北が上回る。東北はスター選手不在で昨年までのような圧倒的な戦力はないが、オーソドックスなチームに仕上がっている。しかし別府青山も粘りのあるチームで、接戦のまま終盤勝負に持ち込めば十分に勝機はある。東北としてはなるべく序盤からリードを保ったままにしたい。 東北は1点を大事にする堅実な野球で、中盤からジワジワとリードを広げて初出場の別府青山にプレッシャーをかけた。しかし別府青山も大量リードを許さずに食い下がり、2点を返したのは見事。
別府青山

遊学館 総合力で遊学館が上回る。秋田商は投手力に難があるが、その中で遊学館のプロ注目の4番・鈴木を抑えられるかがキーポイントか。鈴木の爆発を許すようだとチーム全体も乗ってくる。秋田商としてはなるべく点差を広げられないように打撃戦に持ち込み、終盤で勝負を決めたい。 秋田商は終盤の猛攻で6点を返し持ち味は見せられたが、6失策はあまりにも痛すぎる。鈴木に本塁打を許さず、投手陣は最後まで踏ん張っていただけに、守備の乱れは惜しまれる。
秋田商

桐光学園 総合力では桐光学園が勝るが、本来のエース・山室は腰に故障を抱えて不安定。エースナンバーを背負う石渡にかかる割合は大きい。石渡が近江打線にどう立ち向かうか、もうひとつは近江の継投で桐光学園の攻撃をどこまでかわせるか。大差も僅差も考えられる読みにくい試合である。 山室はやはり制球が全く定まらず、初回にいきなり5失点。しかしロングリリーフの石渡が好投し、味方の反撃につながった。近江としては後の2人が好投しただけに、エース西田を引っ張りすぎたのが悔やまれる。
近江

聖光学院 11 総合力で聖光学院が上回る。聖光学院は安定感のあるエース舟田が大黒柱で、佐賀商は県予選準々決勝以降の3試合を全て1点差で勝っている粘り強いチーム。舟田はある程度計算できるが、佐賀商のエース江口は投げてみないと分からない。江口が聖光学院打線をどこまで抑えるか。 この大差は予想外。舟田は9回1死までノーヒットノーランの見事な投球だが、舟田の調子云々ではなく、佐賀商打線が舟田の術中にはまってしまった印象。聖光学院打線はコンパクトな打撃が素晴らしかった。
佐賀商

京都外大西 総合力で京都外大西が上回る。しかし京都外大西の予選のチーム打率は.255と低く、菰野のエース・岡本の投球次第では十分に勝機はある。どちらも投手を中心とする守りのチームで、投手戦が予想される。犠打や走塁、守備の細かいミスが勝敗を分けやすい。特に菰野は守乱に注意。 想像通りの投手戦だが、やはり京都外大西のチーム力が1枚上回っていた。両チームとも無失策で、持ち味は出ていた。5回から登板した京都外大西の1年生・本田の見事な投球は強く印象に残った。
菰野

関西 総合力で関西が上回る。高岡商は予選でのチーム打率が4割を大きく超えており、急成長著しい2年生投手・ダースとの対決が見もの。個人的な予想では、ダースが抑えきれると見る。関西は打力も持ち味で、決して投手力の高くない高岡商としてはどうしても4〜5点以内に抑えたい。 エース・西所を引っ張りすぎた采配が疑問で、猛反撃で0−5から追いついた高岡商だが、延長10回に力尽きてしまった。見ごたえのある試合で、ダースの好救援がひときわ光る。
高岡商

大阪桐蔭 総合力で大阪桐蔭が勝るが、春日部共栄はかなりの難敵で、好試合が予想される。大阪桐蔭のエース・辻内から大量点を奪うのは困難なので、春日部共栄としてはいかに失点を少なくするかがカギ。4番平田と5番中田、どちらか一方だけでも抑え込めばチャンスは大きく広がるだろう。 辻内は課題の制球難が如実に現れ、春日部共栄が一時3点リードを奪う。しかし、1年生の中田が5回途中から1失点の好救援を見せ、春日部共栄投手陣も粘れなかった。手に汗握る試合だった。
春日部共栄

柳川 柳川は渡辺、藤代は湯本とそれぞれいい投手を持つが、攻撃力では柳川に分がある。藤代としては点の取り合いだけは絶対に避けたいところで、湯本が柳川打線を抑え込んで接戦に持ち込む展開が理想的。逆に柳川打線が湯本を序盤から打ち込めば、大差になる可能性も考えられる。 序盤は不安定だった湯本だが、3回あたりから立ち直った。両チームとも再三の好守でエースを盛り立てて面白い投手戦になった。勝敗を分けたのはエースのスタミナの差だったと思われる。 ×
藤代

済美 総合力では済美がやや上回るが、エース福井がやや安定感を欠いている。旭川工は投打にバランスが取れているが、エース中山が左肩痛を抱えているのが気がかり。旭川工としてはある程度の失点は覚悟し、何とか福井を攻略したい。済美は控えの藤村が成長しているのが心強い。 初回に失策が絡んで5失点した旭川工だが、2回以降はむしろ旭川工のほうが押していた。ただ、走者を溜めてもホームが遠かった。中山は左肩痛の影響を感じさせない投球を見せてくれた。
旭川工

愛工大名電 総合力でセンバツ王者の愛工大名電が上回る。しかし、清峰は初出場ながら投打とも実力が高く、決して侮れない。愛工大名電のエース斉賀は、予選でイニング数以上の四死球を記録し、不調のようだ。清峰としては四死球から先取点を奪い、何としても王者の焦りを誘いたい。 たしかに斉賀の調子はあまり良くはなかったが、それ以上に愛工大名電打線が2点に抑えられたことが予想外。清峰のエース・古川の投球は実に見事。無失策で、愛工大名電のバント攻撃も通じなかった。 ×
清峰

宇部商 実力差はほとんどないが、エースの差で宇部商がやや上回る。新潟明訓としては、エース・須貝が打力のある宇部商打線を相手にどこまで失点を抑えられるかがカギ。新潟明訓も打力には自信を持っており、打撃戦になると面白くなる。宇部商はセンバツの経験を生かしたい。 新潟明訓投手陣はボール先行で苦しい投球になった。宇部商打線は全体的によく振れており、センバツ2回戦で完封負けの悔しさを晴らした。とはいえ、20安打で7得点とつながりを欠いたのも事実。
新潟明訓

静清工 投手力は静清工、打撃力はやや江の川が上か。2年前に4強に進んだ江の川だが、共通点もいくつかあり、快進撃の予感はある。エース・山口の変化球を生かした投球がどこまで通用するかが勝敗の分かれ目。静清工打線も力があり、山口が攻略されてしまうと苦しい。 もう少し静かな試合になると思ったが、打撃戦になった。静清工打線の振りは鋭く、軟投派のエース・山口が持ちこたえられなかった。しかし江の川打線も静清工を上回る14安打と力を見せつけた。
江の川

酒田南 10 総合力で酒田南が上回る。強打の酒田南打線対サイドスローのエース・畑井の対戦という図式になりそうだ。畑井の与四死球は1試合平均1個程度で、制球力が光る投手。一方で酒田南のエース・金本は昨夏も甲子園のマウンドを踏んでおり経験豊富。姫路工としては打撃戦は避けたい。 畑井は無四球で制球力の良さを見せつけたが、直球が真ん中に集まり、中盤以降はメッタ打ちにあってしまう。酒田南は先発全員マルチ安打の大爆発。エース金本も12奪三振で、姫路工を投打に圧倒した。
姫路工

沖縄尚学 投打とも沖縄尚学が上回る。投攻守に穴がなく、センバツ8強時よりもさらに成長している。松商学園は攻撃に自信を持っているものの、投手力に難がある。沖縄尚学のエース・前嵩を何としても攻略し、打撃戦に持ち込めば勝機はある。松商学園は守りの乱れにも気をつけたいところ。 沖縄尚学は14安打を放つものの、走塁やバントのミスが続出し、最少得点しか奪えなかった。しかし前嵩は変化球をうまく生かして好投し、バックも無失策。投手力と守備力の差で押し切ったという試合だった。
松商学園
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
2回戦 日大三 代替出場の高知。調整不足だけでなく、旅行中に急遽呼び戻された人もいるなど、気持ちの面での準備不足も心配である。今年も強力打線を作り上げてきた日大三だが、高知のエース・二神はなかなかの好投手。二神が大崩れせずに踏ん張れば、高知にも十分チャンスはあると思われる。 高知打線は14三振を喫し、練習不足な面も見えたが、一方でノーエラーは素晴らしい。エース・二神も2回に4点を失った後、気持ちを切らさずによく踏ん張った。3年連続出場の日大三はさすがの試合運び。
高知

前橋商 実力差はほとんどない。前橋商は速球派のエース・冨田が軸。熊本工は昨年のような目立った投手は不在だが、投打にまとまっている。接戦が予想されるが、冨田が熊本工打線を抑え込む気がする。熊本工としては、失点を重ねる前に早めの継投で逃げ切る展開が理想的か。 前橋商打線が火を噴いてリードを奪うが、終盤熊本工も猛反撃を見せ、最後まで目が離せないゲーム展開になった。前橋商は6回に2ランスクイズを決め、5点目を奪ったのが結果的に大きかった。
熊本工

駒大苫小牧 投打とも駒大苫小牧が上回る。駒大苫小牧は優勝した昨夏ほどの爆発力はないが、3本柱の投手陣は非常に安定している。聖心ウルスラ学園は打力が低く、この投手陣を打ち崩すのは困難。持ち味の守り勝つ野球に徹したいが、それは予選でノーエラーの駒大苫小牧の土俵でもある。 駒大苫小牧は終始落ち着いた試合運び。聖心ウルスラ学園のエース・川野は試合を作ったが、打線が沈黙してしまった。エース・松橋は2安打完封だが、変化球があまり決まっていなかったのが課題点。
聖心ウルスラ学園

福井商 投手力は福井商、打撃力は日本航空が上回る。プロ注目の投手を2枚持つ福井商と、振りが鋭い日本航空打線の勝負は見もの。日本航空としては打つだけでなく、毛塚−長岡の継投で失点を最小限に防ぐことも重要だ。4〜5点くらいが分岐点で、これを越えるようなら日本航空ペースになりそう。 福井商は林・斉藤がどちらも不調で、日本航空のフルスイングの前に撃沈してしまった。日本航空も攻撃・守備ともにミスが多かったが、最終的には相手投手の不調により打ち勝つことができた。 ×
日本航空

銚子商 古豪対決だが、総合力で銚子商が上回っている。銚子商は好投手のエース・遠藤を擁し、打線も力がある。黒潮打線復活なるか。鳥取西としては、エース・浜本が最少失点で粘って終盤勝負に持ち込むしかない。銚子商打線は左打者が多く、浜本がどう立ち向かうかに注目したい。 中盤まで浜本のスローカーブが有効に使えていたが、次第に銚子商打線に見極められてしまった。逆に鳥取西打線は、遠藤のスライダーに最後まで苦戦。11残塁ともったいない攻撃になってしまった。
鳥取西

樟南 13 総合力で樟南が上回る。両チームとも投手力に不安を抱えており、打撃戦・乱戦が予想される。花巻東は予選で5投手が登板しており、調子が悪いとみれば早めに継投するべき。樟南は佐田・塚脇の2投手が軸。佐田は四死球で余計なランナーを出さないようにしたいところだ。 打撃戦は予想されたところだが、花巻東は先発の菅原が2回持たなかったのが大誤算。樟南のエース・佐田も被安打10、6四死球と乱れたが、序盤から大量リードを得たのが大きく、完投することができた。
花巻東

高陽東 攻撃力は高陽東、投手力は土岐商が上回り、戦力的にはほとんど互角である。土岐商の最速147キロ右腕・丹羽と、予選のチーム打率.442の高陽東打線の戦いになりそうだ。接戦が予想されるが、土岐商打線もなかなか強力なので、大差になる可能性も十分に考えられる。 丹羽はまさかの8四死球で、しかも簡単に盗塁を許して序盤に失点を重ねてしまった。中盤以降は土岐商のほうが押し気味に試合を進めていたがあと一本が出ず、2年生エース・安部の投球にかわされた。
土岐商

鳴門工 戦力的には鳴門工が上回り、さらに1試合経験しているという面においても優位に立つ。1回戦で不調の相手投手陣を打ち崩した鳴門工打線だが、丸亀城西の左腕・藤田の攻略はそう簡単にはいかないだろう。接戦に持ち込めば丸亀城西が有利。鳴門工は攻撃からリズムをつかみたい。 鳴門工のエース・田中暁の投球に尽きる。低めの変化球が冴え、被安打3、11奪三振で完封。対照的に藤田は8四死球で無駄な走者を出し、長打攻勢で沈んでしまった。鳴門工は2試合続けて会心の試合だ。
丸亀城西

青森山田 投打に青森山田が少しずつ上回っている。国士舘は1回戦でセンバツ8強の天理を下して波に乗る。エース山形が、1回戦のように丁寧な投球でゲームを作りたい。青森山田はエース柳田が、機動力も持つ国士舘打線の攻撃をどう防ぐかが問題。走者を出してからの投球を工夫したいところ。 完封はやや予想外。柳田は無四球で、国士舘自慢の機動力を生かす展開にさせなかった。山形は1回戦に続いてよく投げたが、打線の援護がなし。柳田は3季連続甲子園の経験が大きく生きていると思われる。
国士舘

東北 昨夏2回戦と同じカードで、今年も戦力的には東北が少し上回っている。昨年はダルビッシュに完封を許した遊学館だが、今年も打撃陣は強力で、同じようにはいかないだろう。スター不在の東北投手陣が遊学館打線を相手にどういう投球をするか。長打を許さない投球が求められる。 中盤まで試合を優位に進めた遊学館だが、惜しくもリベンジならず。東北は細かい継投と堅い守備で遊学館の攻撃の芽を摘み取り、つなぎの打撃で逆転に成功した。昨年と違い、玄人好みの渋い野球である。
遊学館

桐光学園 1回戦で9回1死までノーヒット投球だった聖光学院のエース・舟田が、桐光学園の強力打線相手にどこまで通用するかが最大の見どころ。桐光学園投手陣は本来の実力が出し切れておらず、初戦で2ケタ得点を挙げた聖光学院打線が序盤から火を噴けば聖光学院が有利になりそうだ。 この日も山室は不調で石渡にマウンドを譲るが、この石渡が聖光学院のしぶとい攻撃を振り切った。舟田は桐光学園打線を警戒したのか、ちょっと四死球が多かった。投球数が多くなり、終盤バテてしまったか。
聖光学院

関西 10 打撃力の差で関西が上回る。投手力は互角と思われるが、安定感では京都外大西のほうが上かもしれない。関西としては、1回戦でやや不発気味だった打線が京都外大西の北岡を早めに打ち崩して実質エースの本田を引っ張り出したい。関西打線を抑え込めば京都外大西が優位に立ちそう。 京都外大西が、予選では見られなかった打線の大爆発を見せつけた。結果的には、関西はダースへの継投が早すぎ、そして引っ張りすぎたか。10−4とリードした後、関西打線が急に淡泊になったのも敗因だろう。 ×
京都外大西 12

大阪桐蔭 投打とも大阪桐蔭が上回る。しかし、大阪桐蔭のエース・辻内が初戦のように乱調だと、藤代にも付け入る隙はありそうだ。打力で大きく劣る藤代としては、エース・湯本が大阪桐蔭打線の爆発を防ぎ、1回戦のように接戦に持ち込むしかない。湯本の投球が全てと言っても良さそうだ。 湯本は下位打線はほぼ完璧に抑え込んだものの、錚々たるメンバーが揃う中軸を打席に迎えるたびに失点を重ねてしまった。辻内も1回戦とは別人の出来で、藤代から大会タイとなる19三振を奪ってみせた。
藤代

済美 総合力ではやや済美に分があるが、1回戦でセンバツ王者の愛工大名電を破った清峰の勢い・実力は見過ごせない。清峰の左腕エース・古川が済美打線を3〜4失点くらいに抑えれば試合は面白くなる。清峰としては、1回戦のような堅守を見せれば勝利も見えてくる。 済美のエース・福井は練習中に故障していたらしく、制球も定まらず本調子には程遠い出来で清峰打線に打ち込まれてしまう。済美打線も中盤以降に反撃するが、2回の5失点が最後まで重くのしかかった。 ×
清峰

宇部商 総合力で宇部商がやや有利と見る。ただし、1回戦では両チームとも投手陣がある程度痛い目に遭っている。どちらも打力があるだけに、投手陣の復調が重要になる。1回戦のような調子だと打撃戦になり、そうなると2枚の投手陣を抱える静清工にチャンスが巡ってきそう。 宇部商のエース・好永は打たせて取る投球の見本で、奪三振ゼロの完封劇。攻撃のほうではバントを拒否して強攻を繰り返し、盗塁死を連発するなど無駄の多い攻撃となったが、好永のおかげで終始余裕があった。
静清工

沖縄尚学 好カード。1回戦で先発全員マルチ安打と大爆発した酒田南打線を、沖縄尚学のエース・前嵩がどう抑えるか。球が真ん中に集まると危険。うまく散らして酒田南打線の打ち気を誘いたい。酒田南のエース・金本は沖縄尚学の打撃はもちろん、機動力にも警戒すべきところ。 沖縄尚学は1回戦と同様にかみ合わない攻撃で、試合を金本に支配されてしまった。走塁ミスもあり、脚力を生かしきれなかった。酒田南は投打とも充実、3回戦に向けて万全の内容での勝利に見える。 ×
酒田南
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
3回戦 日大三 打撃力は日大三、投手力は前橋商が上回る。やはり前橋商のエース・冨田が日大三の強力打線にどう立ち向かうかに注目したい。冨田の球速だと、日大三の打者にとってちょうど打ちごろという気がしなくもない。決め球のスライダーがうまく決まれば日大三と言えどもそうは打てないが。 冨田は全体的に球が甘く入り、日大三打線に痛打を浴びてしまった。前橋商打線もよく食らいついたが、点の取り合いになると不利は否めない。前橋商としては、3失策が全て失点につながったのも痛い。
前橋商

駒大苫小牧 13 総合力で駒大苫小牧が上回る。しかし日本航空も1回戦で好投手2枚を持つ福井商を打ち崩しており、3本柱の駒大苫小牧と言えども全く油断はできない。日本航空としては毛塚・長岡の継投で可能な限り失点を抑えたいところ。初戦でやや不調気味だった駒大苫小牧打線の出来に注目。 予想外の大差となった。日本航空としては毛塚が2回持たなかったのと、エース・長岡にまるでキレがなかったのが誤算。打線も駒大苫小牧投手陣に食い下がったが、変化球にことごとくかわされてしまった。
日本航空

銚子商 投手力の差で銚子商がやや有利か。樟南としては銚子商のエース・遠藤を攻略するのはもちろんのこと、1回戦で不安定だったエース・佐田の復調が不可欠。初戦のような調子だと、試合が傾いてしまう。佐田が最少失点で踏ん張り、その間に遠藤攻略の糸口をつかみたい。 佐田は絶好調というほどでもなかったが、銚子商打線が変化球にまるで合っていなかった。遠藤は初回から樟南打線に打ち込まれ、味方の守備の乱れも重なり、終始樟南ペースのまま終わってしまった。 ×
樟南

鳴門工 10 投手力の差で鳴門工がやや有利。打力では高陽東が少し上だと思うが、鳴門工打線も2試合続けて好調を維持しており、高陽東のエース・安部の調子が悪いと打ち込まれそう。高陽東としては2試合好投を続ける鳴門工のエース・田中暁を攻略し、何としても打撃戦に持ち込みたい。 安打数は同じ14本だが、得点は差がついてしまった。高陽東は、球を低めに集めた田中暁から長打を1本しか打てなかったのも敗因のひとつ。打線がつながらなかった。5失策とミスが続出したのも痛い。
高陽東

青森山田 東北対決だが、春季東北大会を制した青森山田が戦力的には上回っている。青森山田のエース・柳田から点を多く奪うのは厳しく、投手陣が可能な限り青森山田の強力打線の爆発を抑えることが肝要。2試合連続3投手で勝ち上がっている東北は、この試合も継投がカギを握るだろう。 練習試合では青森山田が3戦全勝だったそうだが、東北が初勝利を甲子園の大舞台で挙げた。青森山田が思いのほか東北のエース・高山を打ちあぐねた。東北は早い段階でリードを奪えたのも勝因だろう。 ×
東北

桐光学園 総合力では桐光学園にやや分があると思うが、ここまで両チームともやや意外な勝ち上がりをしてきており、読みにくい試合。両チームとも継投が基本のチームで、2番手投手は安定している。先発がいかに長いイニングを投げてゲームを作るか。先発投手の調子が最重要になりそうだ。 桐光学園の完封負けはやや意外だった。先発の山室はやはりこの日も本来の調子には戻らず、逆に京都外大西の先発・北岡を捉えることができなかった。それにしても1年生・本田の投球が神がかっている。 ×
京都外大西

大阪桐蔭 総合力で大阪桐蔭が勝るが、ここまで2試合続けて大物食いをしている清峰の勢いも無視できない。清峰が勝つとすれば、やはり打撃戦ではなくロースコアのゲーム。エース・古川は単打を打たれても長打を打たれない、走者を許しても本塁に還さない、粘りある投球が必要となる。 古川は大阪桐蔭の中軸を1安打ずつに抑えて爆発を防いだが、初回に6番米川に走者一掃の二塁打を打たれたのが最後まで響いた。辻内は相変わらず無駄な走者が多いが、ギアを上げると凄い投球になった。
清峰

酒田南 実力伯仲。打力でやや酒田南が上回るか。酒田南のエース・金本、宇部商のエース・好永はともに甲子園経験があり、前の試合では好投して好調に見える。本来の投球をすれば投手戦になるが、両チームの攻撃力を考えると、わずかな乱れから大量点に結びつくことも考えられる。 酒田南のエース・金本が肩の不調で先発を回避。宇部商打線がこの隙を見逃さずに集中打を見せ、金本も救援登板するが打ち砕かれた。金本さえ万全であれば、もっと面白い試合になったはずだが…。 ×
宇部商 11
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準々決勝 京都外大西 本来であれば京都外大西の投手陣と樟南の打撃陣の戦いになるはずだが、ここまで京都外大西打線と樟南のエース・佐田が思いのほか好調で、投手戦と打撃戦、どちらも十分にあり得そう。とはいえ、ここまでの3試合のように北岡・本田の落ち着いた継投ができれば、戦力的には京都外大西のほうが1枚上回っている。樟南は佐田が波に乗る京都外大西打線を4点以内に抑え、打線は本田が出てくる前に北岡を打ち崩してしまいたい。 佐田は3回戦のような落ち着いた投球を見せていたが、5回に突如乱れ、守備の乱れも重なって一気に試合が傾いてしまった。中でも、9番中川のスクイズが内野安打になったのが非常に大きかった。逆に樟南は3回無死2、3塁のチャンスでスクイズ失敗。本田を3回から引っ張り出すことに成功しただけに、ここは一気に畳み掛けたかった。
樟南

駒大苫小牧 総合力で駒大苫小牧が上回る。駒大苫小牧は2試合で1失点、守備も予選から全試合で無失策を続けておりディフェンスは万全。打撃でも3回戦では16安打13得点で、全く穴がない。鳴門工は甲子園3試合で30得点と打線が波に乗っている。駒大苫小牧のプロ注目の3投手を打つのは至難の業だが、それでも打たないことには勝ち目がない。鳴門工のエース・田中暁はある程度の失点を覚悟したほうがよいと思われる。 鳴門工打線が序盤から火を噴き、松橋・田中から相次いで得点した。田中暁のスライダーも冴えており、勝利は目前だったが、7回表の3得点で気の緩みが出たか? その裏は鳴門工に守備の乱れやバッテリーエラーが続出、後のない駒大苫小牧のほうは積極的な走塁と的確な打撃で一気に6得点で大逆転。甲子園の怖さを改めて思い知らされた。
鳴門工

大阪桐蔭 個々の能力では大阪桐蔭が上回っているが、チームワークでは東北が勝っている。東北としては、大阪桐蔭の中軸に長打を許さないことと、エース・辻内の自滅を的確に突くことが重要だ。辻内は四死球で無駄な走者を許すことが予想されるので、低めの変化球をうまく見極めて得点につなげたい。大阪桐蔭は、3回戦では中軸が打点ゼロに終わっている。この試合では、中軸の前に走者を出して点を奪う本来の野球で勝ちきりたい。 大阪桐蔭の4番平田が4打数4安打3本塁打5打点。東北としては、ほとんど平田1人にやられたと言っていい試合になってしまった。東北も5回に集中打で4点を奪い一時はリードを奪ったが、この日は継投がうまく決まらず、終盤に再逆転を許してしまう。東北バッテリーも最善を尽くしており、打った平田を褒めるしかない。
東北

日大三 打撃力は日大三、投手力は宇部商が上回る。宇部商のエース・好永と日大三打線の激突は見ごたえがありそうだが、好永は3試合連続完投で、中1日での登板。疲労が抜けきらないようだと、日大三打線の爆発を許してしまうことにもなりかねない。一方で日大三投手陣も不安があり、宇部商打線も波に乗っているだけに、宇部商打線が爆発するということも十分考えられる。したがって、どちらかと言うと打ち合いになりそうな予感。 日大三は再三にわたって得点圏にランナーを進めながら、あと1本が出ないという実にもどかしい試合展開。直接的な敗因は9回に3点を失ったことにあるが、その前にもっと援護点を奪って投手陣を楽にできなかったことが隠れた敗因と言えるだろう。好永はランナーを出してからの粘りの投球が実に見事だった。 ×
宇部商
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準決勝 京都外大西 10 戦力的にはあまり差がないと思われるが、投手の疲労度がまるで違う。ここまでエース好永1人で勝ち進んでいる宇部商と、北岡・本田の継投で勝ち進んでいる京都外大西。本田には少し疲れも見えてきているが、それでも好永よりははるかに余裕があるはずで、その点において京都外大西が有利。打線はどちらも波に乗っているため、投手の疲労を考えると打撃戦になるかもしれない。好永のほうはある程度の失点を覚悟したほうがよく、本田が好投すれば一方的な試合展開にもなり得る。 序盤こそ両投手陣が踏ん張ったが、中盤以降は疲労の色が隠せず、ノーガードの打ち合いに。京都外大西は準々決勝に続いて先発北岡が3回途中までしか持たなかったのが痛く、疲れが見える本田が打ち込まれてしまった。本田を攻略して宇部商がリードしていただけに、9回表の挟殺プレーでの守りのミスは非常に悔やまれる。最後までどちらが勝つか分からない試合だった。
宇部商

駒大苫小牧 事実上の決勝戦と言えるかもしれない。戦力的には五分だが、連戦になる大阪桐蔭より、中1日の休養がある駒大苫小牧が有利と思われる。大阪桐蔭は中田もいるが、おそらくエース辻内の連投になるだろう。これに対し駒大苫小牧は松橋・田中・吉岡と層が厚く、しかも前述の通り1日休みがある。大阪桐蔭は準々決勝で4番平田の3本塁打で勝ったのがあまりに印象的なので見落とされがちだが、それ以外の打者が全体的に抑えられていた。駒大苫小牧としては、この平田を徹底的にマークすれば勝利が見えてくる。 まさに予想通りの試合。大阪桐蔭は4番平田が5打数無安打3三振で、最後はチャンスの場面でハーフスイングの三振でゲームセット。やはりこの平田が打たないと乗ってこないチームである。辻内は球が高めに浮いた2回に集中打を浴びて5点を失うが、そこから連投の疲れを見せずに踏ん張り、合計16奪三振は見事。しかし、10回はやはり高めの球を打たれた。中田の登板も見たかったが。
大阪桐蔭
決勝 駒大苫小牧 京都外大西の打線は非常に勢いがあるが、駒大苫小牧の投手陣はまだまだ余裕がある。さすがの京都外大西も、準決勝のような猛打を発揮することはできないだろう。これに対して京都外大西も継投で勝ち上がっているとはいえ、1年生の本田には疲労が蓄積しており、辻内をも打ち崩した駒大苫小牧打線に捕まる可能性は大いにある。京都外大西としては何としても先制点を奪い、2試合続けてビッグイニングを作っている駒大苫小牧打線の爆発を防いで粘り強い投球をすることが求められる。駒大苫小牧は予選から11試合連続無失策中で、無駄な失点はしないチーム。 京都外大西は先発北岡が今大会最長の5回途中まで踏ん張り、本田とともに駒大苫小牧に長打を1本も許さなかった。そのために接戦になったが、キャプテン林のバント安打など、持ち味のそつない攻撃で細かく加点した。駒大苫小牧は今夏初めて失策を犯して失点につながったが、同点に追いつかれてもナインに全く動揺が見えなかった。甲子園優勝の経験がいかに大きなものか、決勝の大舞台で改めて実感した。
京都外大西


 

大会を終えた感想

 36/48で、試合ごとの的中率は.750。センバツ王者・愛工大名電の初戦敗退などの波乱はあったが、大本命の駒大苫小牧・大阪桐蔭が下馬評通りに勝ち進んだため、的中率としてはまあまあ良かった。

 センバツに続いて好投手が多い大会だった。センバツに比べて打高投低なのが夏の甲子園の特徴だが、結局勝ち進んだのは好投手がいるチーム。しかしエース1人が完投するチームは準決勝までで姿を消し、継投で勝ち進んだチームが決勝戦で激突した。これからの高校野球の戦術にも影響を及ぼすかもしれない。

 優勝したのは駒大苫小牧(南北海道)。昨夏に続き2度目の優勝で、夏の甲子園の連覇は1947、48年の小倉(福岡)以来57年ぶり6校目で、参加高校数を考えると史上初と言っても良い快挙を成し遂げたことになる。

 センバツでは故障者続出などの影響で2回戦敗退。春季大会でも結果を残せなかったが、そこからわずかな期間で優勝できるチームを作り上げた。松橋・吉岡・田中とドラフト候補の投手を3枚揃え、打撃陣は昨夏の経験がある林・五十嵐を中心にまとまっていた。守備陣も北海道地区大会から甲子園準決勝まで11試合連続無失策の堅守を誇り、投攻守に隙のないチームだったと言える。