2005(平成17)年 春のセンバツ予想


出場校評価  ベスト8予想  各試合予想  大会を終えた感想  

出場校評価

地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 スポニチ サンスポ 管理人
北海道 駒大苫小牧 北海道 2年ぶり2回目
東北 羽黒 山形 初出場
青森山田 青森 初出場
関東 東海大相模 神奈川 5年ぶり6回目
浦和学院 埼玉 2年ぶり6回目
甲府工 山梨 2年連続5回目
常総学院 茨城 4年ぶり6回目
慶応 神奈川 45年ぶり6回目
東京 修徳 東京 26年ぶり3回目
東海 愛工大名電 愛知 4年連続8回目
東邦 愛知 3年連続27回目
北信越 福井商 福井 3年ぶり17回目
星稜 石川 8年ぶり11回目
地区 高校名 都道府県 出場回数 日 刊 報 知 スポニチ サンスポ 管理人
近畿 神戸国際大付 兵庫 4年ぶり2回目
育英 兵庫 5年ぶり13回目
天理 奈良 8年ぶり17回目
八幡商 滋賀 2年連続7回目
市和歌山商 和歌山 38年ぶり4回目
大産大付 大阪 初出場
中国 宇部商 山口 10年ぶり6回目
関西 岡山 3年ぶり7回目
如水館 広島 初出場
四国 新田 愛媛 15年ぶり2回目
西条 愛媛 16年ぶり5回目
九州 柳ヶ浦 大分 15年ぶり2回目
沖縄尚学 沖縄 6年ぶり3回目
神村学園 鹿児島 初出場
戸畑 福岡 5年ぶり4回目
東筑紫学園 福岡 12年ぶり2回目
21世紀 一迫商 宮城 初出場
高松 香川 72年ぶり4回目
希望枠 三本松 香川 初出場
日 刊 報 知 スポニチ サンスポ 管理人






17 20 23 15 16



10 11
 

ベスト8予想

ブロック 高校 予想 結果
戸畑−駒大苫小牧
神戸国際大付−甲府工
駒大苫小牧と神戸国際大付が抜きんでており、実力もほぼ互角。現在の調子を考えると、わずかに神戸国際大付が有利か。昨夏優勝の駒大苫小牧は投手陣の層が厚いが、故障者が続出しているという情報がある。甲府工はエース三森の投球に期待したい。 神戸国際大付
(1)
慶応−関西
福井商−新田
中堅校が顔を並べ、予想が難しいブロック。その中で、プロ注目の投手を2枚持つ福井商が最有力。投手力のある福井商を迎え撃つのは、攻撃力に自信のある関西か。実力に大差があるわけではなく、それ以外の2校にも十分にチャンスはある。 慶応
(−)
一迫商−修徳
柳ヶ浦−天理
プロ注目のエース山口を擁し、神宮大会を制した柳ヶ浦が本命視される。昨夏の甲子園メンバーが数多く残る修徳がこれに続く。同じく昨夏も甲子園出場を果たした天理も投打に実力は高く、神宮大会を制した柳ヶ浦といえども全く油断はできない。 天理
(3)
高松−宇部商
愛工大名電−大産大付
神宮大会準優勝、そして昨年のセンバツでも準優勝の愛工大名電は投手力・守備力が高く、しかも雪辱に燃えていることが予想され、このブロックの大本命。中国大会を制覇した宇部商は、打撃陣とエース好永の投球に期待。他の2校にとっては苦しいブロックか。 愛工大名電
(1)
如水館−東筑紫学園
八幡商−羽黒
実力伯仲で接戦に期待できそうなブロック。東北大会チャンピオンの羽黒はエース片山の投球に期待が集まる。八幡商はエース上田、如水館はエース政岡の投球に期待。エースの投球がそのままこのブロックの明暗を分けそうだ。 羽黒
(1)
三本松−東海大相模
東邦−育英
投手力のあるチームが揃った激戦ブロック。関東大会王者の東海大相模が半歩リードといったところか。育英はエース若竹の存在のみならず、打撃や守備も含めて全体的に高レベル。東邦もプロ注目のエース木下を擁し、実力は高い。 東邦
(3)
青森山田−沖縄尚学
浦和学院−西条
いずれも地区大会準優勝という珍しいブロックだが、実力校揃い。エース柳田など、昨夏のメンバーが多数残った青森山田がやや有利か。その青森山田と初戦で激突する沖縄尚学も投打にわたって実力は高い。その他の2校も差は少なく、勝ちぬく可能性は大いにある。 沖縄尚学
(2)
神村学園−星稜
市和歌山商−常総学院
初出場ながら神村学園は投攻守に穴がなく、今大会の台風の目とも言うべき面白い存在。このブロック内でも最有力候補だ。他の3校は横一線。その中では、近年の実績には乏しいものの、打力がある市和歌山商を推してみたい。 神村学園
(1)

 

各試合予想

※勝つと予想した高校が上段となっています。

v
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
1回戦 駒大苫小牧 投打とも駒大苫小牧が上回る。しかし、直前の練習試合では松橋・吉岡の投手陣と打撃陣が軒並み不調だったことで、やや不安が残る。あるいは、3番手投手の田中の先発もあるか? 戸畑としてはまず先制点を奪って駒大苫小牧の焦りを誘い、投手陣の粘投で逃げ切りたい。 駒大苫小牧は唯一好調を持続していた田中が先発し、戸畑打線を寄せ付けず。駒大苫小牧打線は救援の矢野に沈黙したが、戸畑打線も再三ランナーを出しながらバント・走塁のミスが続出したのが非常に痛い。
戸畑

神戸国際大付 総合力では神戸国際大付に軍配が上がるが、甲府工も投打に力があり、しかも2年連続出場で手ごわい相手。どちらも打力があるチームではあるが、神戸国際大付の大西、甲府工の三森による投手戦が予想される。この2人を比較した場合、やや大西のほうが現段階の実力は上か。 想像通りの投手戦。神戸国際大付の大西はやや制球に苦しむが、決め球のカーブが有効に使えた。三森も7回まで無失点とよく投げたが、守備陣の記録に残らないミスもあり、8回に力尽きてしまった。
甲府工

関西 戦力的にはやや関西が上回る。慶応の左腕・中林を関西の強力打線がどう打ち崩すかに注目。中林が打たせて取る投球で関西打線をかわすようだと試合は面白くなりそうだ。関西のエース・西所も予選では防御率1.46を誇る好投手。慶応が勝つには、この西所を攻略する必要がある。 雨中の熱戦で、スコアが二転三転して面白い試合だった。どちらが勝ってもおかしくない試合で、最終回はお互いに満塁のチャンスを作ったが、これをうまく生かすことができた慶応に勝利の女神が微笑んだ。 ×
慶応

福井商 総合力で福井商が上回る。どちらも投手を中心とした守備型のチームだが、投手力には大差がある。新田は打線が迫力不足で、林・斎藤と2枚のプロ注目投手を擁する福井商投手陣からの大量点は難しい。左腕・門田が持ち前の打たせて取る投球で最少失点で粘れば勝機はある。 思ったより差が開いてしまった。好守のチームのはずの新田だが、3失策がことごとく失点につながってしまった。打線もわずか3安打で、外野に打球がほとんど飛ばない状態。福井商会心のゲームと言える。
新田

修徳 総合力で修徳が上回る。しかし、修徳は昨夏8強の立役者だったエース・斉藤の調子が気がかり。また、一迫商のエース・佐藤は予選での防御率1.07を誇る。佐藤が修徳打線の爆発を防ぎ、打線が斉藤に粘り強く食らいつくことができれば、21世紀枠の一迫商にも十分チャンスはある。 修徳は斉藤の調子が想像以上に悪すぎた。初回にいきなり先制点を許し、修徳打線に焦りが見えた。佐藤の投球術も光ったが、絶対打てない球でもなかった。修徳の焦りを誘った一迫商が巧かったと思う。 ×
一迫商

柳ヶ浦 1回戦最大の好カードだろう。柳ヶ浦の本格派右腕・山口に対し、天理の強力打線がどう立ち向かうか、楽しみである。一方で、柳ヶ浦の打線は決して強力ではない。得意の機動力も絡めて早めに山口を援護することができれば、終始優位に試合を進めることができると思われる。 山口の調子は決して悪くなかったが、天理打線が作ったチャンスをことごとく活かして4得点。これに対し柳ヶ浦は2回の走塁妨害を始め、再三にわたってチャンスを潰し、ムードが悪くなってしまった。 ×
天理

宇部商 総合力で宇部商が上回る。高松はチーム打率が.269と低く、長打力もない。好投手もいない。エースの田窪が四死球から乱れるようだと、一方的な試合展開になってしまう危険性すらある。宇部商は控え投手が弱いので、高松としては左腕・好永の投球数を増やす辛抱強い攻撃をしたい。 高松のエース・田窪は味方の5失策に足を引っ張られながらも粘り強いピッチングで、宇部商打線の爆発をよく防いだ。高松は3回に3連打で2点を返したが、強打のチームではないのでこれが精一杯か。
高松

愛工大名電 投打とも愛工大名電が上回る。機動力を生かした愛工大名電の波状攻撃をいかに防ぐか。大産大付としては守りのミスを最小限に減らし、接戦に持ち込みたい。愛工大名電は投手陣も実力が高く、打力で劣る大産大付としては少ないチャンスを確実に生かす攻撃が求められる。 大産大付のエース・大西が辛抱強い投球で愛工大名電打線を抑え込み、バックもノーエラーでこれを助けた。見ごたえのある接戦だったが、やはり愛工大名電のエース・斉賀の投球が素晴らしすぎた。
大産大付

如水館 投手力は如水館、打撃力は東筑紫学園が上回る。個人的な予想では、如水館のエース・政岡が東筑紫打線を抑えられるのではないかと見る。東筑紫学園としては投手力に難があり、守備陣が崩れるようだと試合が傾いてしまう。打ち合いに持ち込めば東筑紫学園のペースになる。 政岡の制球があまりにも悪く、東筑紫学園には勝つチャンスがたくさんあった。しかし2回以降は追加点が奪えず、逆に如水館は少ないチャンスを確実に生かした。東筑紫学園としてはもったいない試合。
東筑紫学園

羽黒 羽黒のエース・片山と八幡商のエース・上田の投げ合いは見ごたえがありそう。どちらも好投手だが、上田は近畿大会で初戦こそ完封したが、準々決勝と準決勝では大量失点を喫している。上田の調子に注目したい。羽黒は守備にやや難があり、片山の足を引っ張ることは避けたいところ。 期待以上の白熱した投手戦になった。両チームとも毎回のようにチャンスを作りながらあと一本が出なかったが、これは両投手の踏ん張りによるもの。最後は暴投で決着がつき、悔やまれる1球となった。
八幡商

東海大相模 投打とも東海大相模が上回る。三本松のチーム打率.220は出場32校の中で断トツの最下位。東海大相模のエース・小泉から大量点を取るのはほとんど無理だろう。エース宮崎が悪くても2失点以内に抑え、少ないチャンスを確実に物にすれば勝機はある。失策から乱れるのは避けたい。 全体的に小泉に抑え込まれていた三本松打線だが、失策や四球でもらったチャンスを逃さずしぶとく3得点。2失策したが、希望枠での出場らしく、随所に好守もあった。東海大相模打線の中軸の力強さはさすが。
三本松

育英 実力伯仲の好カード。育英の若竹、東邦の木下、プロ注目の2投手が顔を合わせるが、どちらも攻撃力にも自信を持っている。投手戦が予想されるが、点の取り合いも十分考えられる。お互いに守備も締まっており、どちらが勝つにしても1〜2点差の僅差の試合になりそうだ。 両チームともミスが少なく、予想通り緊迫した投手戦になった。育英のエース・若竹は東邦の猛攻撃を再三にわたって凌いだが、最後は踏ん張りきれなかった。どちらが勝ってもおかしくない試合だった。 ×
東邦

青森山田 どちらも攻撃に自信を持つチームだが、投手力において青森山田が上回っている。昨夏のマウンドも経験した青森山田のエース・柳田が、機動力も絡める沖縄尚学打線の爆発をいかに食い止めるか。沖縄尚学のエース・前嵩はやや不安定。青森山田としては序盤からリードを広げたい。 好試合を予想したが、期待外れ。柳田は完全に調整不足。昨夏には遠く及ばない出来で、沖縄尚学の猛攻撃の前に撃沈。あまりにも序盤から失点が積み重なり、最初は順調だった攻撃にも悪影響が出た。 ×
沖縄尚学 16

浦和学院 戦力的にはほぼ互角か。浦和学院は昨夏の経験者が残っており、この経験を存分に生かしたい。西条はエース戸田が故障とのことで、津島にかかる比重は大きくなりそう。サイドスローの津島が強打の浦和学院に対していかに立ち向かうか。これが試合の重要なポイントになりそうだ。 浦和学院は下位打線が絶好調だった反面、期待されたクリーンアップがノーヒット。これが大誤算だったと思われる。津島の変化球を最大限に生かした投球は見事で、うまく相手の打ち気を誘っていた。 ×
西条

神村学園 甲子園常連の星稜と春夏通じて初出場の神村学園だが、戦力的には神村学園が上回っている。女子高から共学化し、創部から2年で甲子園出場。昨春優勝の済美との共通点もいくつかある。神村学園はエース・野上を始めとして、投打に穴がない。星稜は投手力に不安を抱えている。 攻撃に自信を持っている星稜が野上から11安打を放つが、得意の機動力野球はやや影をひそめ、あと一歩攻め込めなかった。星稜のエース・片岡は大崩れせずに踏みとどまり、面白い試合になった。
星稜

市和歌山商 実力はほぼ互角。どちらのチームも投手力が低いが、絶対的なエースがいない常総学院、左腕・田島がほぼ1人で投げ切る市和歌山商と、タイプは違う。両チームの守備陣の踏ん張りと、常総学院の継投のタイミングに注目。市和歌山商としては、田島の調子が非常に重要になる。 全体的な試合内容に差はないが、常総学院は制球難のエース伊勢を引っ張りすぎたか。関根・飯田の2投手は粘りの投球で踏ん張っただけに、悔やまれる継投になった。2失策がいずれも失点につながったのも痛い。
常総学院
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
2回戦 神戸国際大付 戦力的にはほぼ互角で、注目の好カード。しかし、両チームとも1回戦は不満足の出来。駒大苫小牧は背番号10の田中が好投したとはいえ、松橋・吉岡の2本柱と打撃陣には不安が残る。神戸国際大付も不安定な内容ではあるが、おそらく今の駒大苫小牧ほどではないだろう。 駒大苫小牧の打撃陣の不調は重症で、序盤に制球難だった神戸国際大付・大西を全くとらえきれず、調子を上げた中盤以降は手も足も出なかった。田中はまたも好投したが、松橋・吉岡の不調も痛かった。
駒大苫小牧

福井商 投手力は福井商、打撃力は慶応が上回る。しかし、何と言っても投手力の差が際立っている。福井商は1回戦では打撃好調で、それを維持できていれば総合力で押し切れそう。初戦で3安打無失点だった福井商の2投手に対し、慶応打線がいかに食らいつくか。バントは確実に決めたい。 初戦で14安打9得点だった福井商打線が、慶応の左腕・中林に完全に沈黙してしまった。福井商の先発・林も決して悪い内容ではなかったが、打線が1得点では勝てない。中林の好投に尽きる。 ×
慶応

天理 19 投打とも天理が上回る。一迫商としては、初戦のようにエース佐藤が強打の天理打線をかわすピッチングができれば、面白い試合になりそうだ。先取点を奪うことができれば、天理の焦りを誘うことも不可能ではない。天理打線は、1回戦の山口とは全くタイプが違う佐藤を攻略できるか。 エース・佐藤勇が四死球と失策から乱れたのが悔やまれる。完全にペースを乱し、歯止めが全く利かなくなってしまった。4回に2連打で2点を返すが、最後まで自分たちの野球に持ち込めなかった。
一迫商

愛工大名電 投攻守、いずれも愛工大名電が少しずつ上回っている。両チームとも1回戦では打線がやや湿り気味で、もうひとつ流れに乗れなかった印象。斉賀・好永の両投手が、相手打線を目覚めさせないことが重要になる。どちらかというと投手戦が予想されるため、エラーにも気をつけたい。 この試合も、両チームの打線は全体的に沈黙したままだった。それだけ斉賀・好永のピッチングが見事だったと言える。宇部商はやっと出したランナーを2度もけん制で刺されたのが痛すぎる。
宇部商

羽黒 総合力で羽黒が上回る。初戦は八幡商の好投手・上田に抑えられたが、もともと羽黒は打力のあるチーム。如水館の政岡もなかなかの好投手だけに、羽黒打線との駆け引きが楽しみな対戦だ。如水館のほうが接戦には強そうな印象だけに、羽黒は序盤からリードを広げたいところ。 政岡は無駄な四死球をきっかけに2アウトから失点を重ねてしまった。羽黒はバッティングだけでなく、積極的な走塁も光った。羽黒のエース・片山は1回戦にも負けない素晴らしいピッチング。
如水館

東海大相模 2回戦屈指の好カード。投手力は東邦、打撃力は東海大相模が上回る。1回戦で育英打線を完封した東邦のエース・木下と、破壊力のある東海大相模打線の対戦は見もの。しかしそれ以上に重要なのが東海大相模のエース・小泉。この小泉の投球が勝敗を分けると言っても過言ではない。 初戦では好投手・若竹を打ち崩せなかった東邦だが、持ち前の攻撃力がいかんなく発揮された。小泉のピッチングも悪くはなかったが、8回はやや単調な配球になり、集中打を浴びてしまった。 ×
東邦

沖縄尚学 投手力は西条、打撃力は沖縄尚学が上回る。初戦で大爆発した沖縄尚学打線だが、それ以上に不安を抱えたエース・前嵩の好投が大きかった。西条は強打のチームではないだけに、前嵩が1回戦のような投球をしてくれれば沖縄尚学が有利。西条はまず攻撃からリズムをつかみたい。 前嵩がそれほど良かったわけではないが粘りの投球で、5回まで西条打線をノーヒット。逆に西条のエース・津島は序盤から沖縄尚学の猛攻を受け、西条としては最後までペースをつかめなかった。
西条

神村学園 総合力で神村学園が上回る。打撃のチームである市和歌山商だが、神村学園のエース・野上から大量点を奪うのは難しい。打線もなかなか強力な神村学園打線を、市和歌山商のエース・田島がどこまで抑えられるかがポイント。4〜5点くらいの勝負になると思われる。 田島は粘り強いピッチングで神村学園を5点に抑えたのは合格点。強打の市和歌山商だが、それ以上に野上のピッチングが見事だった。競った場面で市和歌山商にミスが続出したのは悔やまれるところ。
市和歌山商
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準々決勝 神戸国際大付 15 総合力で神戸国際大付が上回る。しかし、神戸国際大付は全体的に打線が停滞気味なのが不安要素。頼みのエース大西も、立ち上がりがやや不安定な傾向にあり、慶応にも付け込む要素はある。慶応のエース・中林が神戸国際大付打線を眠らせたままにしておけば、試合は面白くなる。慶応としては、ビハインドでもいいので僅差のまま終盤に突入したいところ。 中林は制球に苦しみ、余裕がなくなって盗塁も簡単に決められ、試合にならなかった。1回裏に神戸国際大付は守りのミスが続出して無死満塁という絶好のチャンスを作るが、後続が倒れて無得点だったのが痛すぎる。神戸国際大付は大西を4回までで引っ込め、準決勝に備えて温存にも成功した。
慶応

愛工大名電 ここまでの戦いぶりを見ると、投手力は愛工大名電、打撃力は天理が良さそうだ。しかし愛工大名電も機動力を生かした攻撃力は高い水準にあり、ひとたび火がつけば相手を圧倒する実力を備えている。天理打線は2回戦では15安打19得点と火を噴いたが、愛工大名電のエース・斉賀からそう大量点が奪えるとは思えない。3〜5点くらいの勝負になりそう。打線が復調しないと愛工大名電は苦しい。 斉賀は制球が定まらず苦しい投球が続いたが、打線が調子を取り戻し、援護してくれたおかげで助かった。中盤に差が開いたため、6回から毎回ノーアウトの走者を出した天理は、バントで手堅く送ることができず、結果的に併殺などでチャンスを潰してしまった。僅差で粘っていれば、天理にも勝機はあった。
天理

東邦 東邦のエース木下と、羽黒の強力打線の対戦という図式になるだろう。中1日で木下がどこまでのピッチングができるか。少しでも調子が落ちているようだと、羽黒打線の餌食になる恐れがある。逆に2回戦までと変わらないような投球ができるなら、東邦が勝ちきれそうだ。木下だけでなく、羽黒の片山も好投手。2回戦で東海大相模の小泉を攻略したように、東邦としては打線の援護も不可欠。 木下は直球にいつもの威力がなく、東邦打線に鋭い当たりを何度となく飛ばされてしまった。中2日と、木下より休養日が1日多かった片山は、さほどの疲れも感じさせずスイスイと投げられた。それだけ片山が良かったとも言えるが、東邦打線もどことなく淡泊さが目についた。 ×
羽黒

沖縄尚学 攻撃力は沖縄尚学、投手力は神村学園が上回りそう。沖縄尚学は脚力もあり、その攻撃力は驚異的。神村学園のエース・野上としては塁に出してから粘るのではなく、出塁すらさせない投球が必要となる。沖縄尚学のエース・前嵩は予選での防御率は3点台と平凡な数字だが、甲子園に来てからは粘り強い投球で大量点を与えていない。神村学園打線としては、そこを何とかこじ開けて援護射撃をしたい。 前嵩はこの試合でも粘りの投球を披露し、十分に試合を作った。その前嵩を打線が援護できなかったのが惜しい。なかなかノーアウトから出塁できず、沖縄尚学の流れに持っていくことができなかった。最終回に乱れたとはいえ、2試合で22得点を挙げた沖縄尚学打線を抑えた野上は素晴らしい。 ×
神村学園
回戦 試合スコア 管理人予想 予想結果と試合解説 結果
準決勝 愛工大名電 両チームとも打線は復調気配。投手陣の出来が重要な試合になりそうだ。愛工大名電はエース斉賀が3試合連続完投、それに対し神戸国際大付は準々決勝で大西を4回までで引っ込めることに成功。投手の疲労度で言えば神戸国際大付がやや有利と思われるが、大西は依然として調子が上がり切っていない。特に立ち上がりは不安定で、序盤から愛工大名電打線に打ち込まれる危険性もある。3回までを1失点以内に抑えて波に乗りたい。神戸国際大付は、準々決勝で好投した有元のピッチングにも注目。 やはり大西は立ち上がりが悪く、先行を許してしまう。神戸国際大付打線も疲れ気味の斉賀を打ち込んで逆転するが、大西も打ち込まれて再逆転を許してしまう。準々決勝で好投した有元を信用し、もう少し早く投入する手はなかったか。愛工大名電としては、今大会初登板の十亀が好投したのは非常に大きい。愛工大名電は継投に成功、8犠打で自分たちの野球に持ち込めた。
神戸国際大付

羽黒 エースの実力は神村学園の野上が少し上と思われるが、打線の破壊力では羽黒が断然上回っている。両投手とも秋季大会ではほとんど1人で投げ切っているだけに、連投になるだろう。そういう状況下では、打線が勝敗を分ける可能性が高い。羽黒としては、立ち上がりから野上を攻略して試合を優位に進めたい。チーム全体としての打力は神村学園のほうが劣るが、4番天王寺谷だけは別格。神村学園は、いかにこの天王寺谷につなぐかがカギになる。バントなどの小技も重要な試合だ。 振り返ってみると、1回表の3得点がすべてと言っても過言ではない試合。注目の4番天王寺谷の一撃でチーム全体が大いに盛り上がった。今大会初の3点ビハインドで焦りが生まれた羽黒は、早打ちが目立ち淡泊な攻撃になってしまう。エース・片山が2回以降は粘りの投球で追加点を阻んだだけに、打線の沈黙は大誤算。弱点の守備も失点につながってしまった。 ×
神村学園
決勝 愛工大名電 投手陣の層の厚さ、攻撃力、いずれも愛工大名電が上回る。愛工大名電としては、準決勝で十亀が好投したのが大きく、決勝でも使える目処が立った。これに対し神村学園は野上1枚のチームなので、3連投せざるを得ないだろう。準決勝で強打の羽黒を完封しているとはいえ、さすがに3連投という状況で好投を期待するのは難しい。攻撃面でも愛工大名電は非常に波に乗っており、打つだけでなく犠打や機動力を絡めた攻撃が見られそう。神村学園としては、何とか4〜5点の援護点をプレゼントしたい。スタミナのある野上は、走者を出しても還さない粘りの投球が必要だ。 野上は持ち味の制球力が影をひそめ、球が高めに浮いた。愛工大名電のプロ注目の4番・堂上の一発など、得意のバント攻撃ではなく長打攻勢で序盤から試合の主導権を握った。神村学園バッテリーには全く余裕が感じられず、簡単に8盗塁を許してしまう。愛工大名電のエース・斉賀は低めに球を丁寧に集め、4番天王寺谷もノーヒットに抑える。十亀の救援を仰ぐことなく、余裕の完投勝利。愛工大名電の貫録勝ちという内容だった。
神村学園
 

大会を終えた感想

 20/31で、試合ごとの的中率は.645。愛工大名電・神戸国際大付という本命が勝ち進む中、伏兵の神村学園・羽黒の快進撃があり、的中率がやや低めに終わってしまった。

 大会序盤は好投手同士の緊迫した投げ合いが多く、準々決勝以降は投手が疲労している影響もあり、打撃戦や差がつく試合が多かった。色々な試合を楽しむことができたし、レベル自体も近年のセンバツの中では高いほうに位置する大会だったと思う。

 優勝したのは愛工大名電(愛知)で、春夏通じて初の優勝。愛知県勢のセンバツ優勝は、1989年(第61回)の東邦以来16年ぶり10回目。なお、愛知県勢のセンバツ10度の優勝は、2位大阪の8回よりも多く、依然としてトップである。

 エース・斉賀のピッチングが光ったが、犠打や盗塁を絡めた嫌らしい攻撃も驚異的であった。投攻守にスキのない好チーム。昨年は済美(愛媛)に敗れて惜しくも準優勝に終わったが、その悔しさを存分に晴らした。これに満足せず、夏も大暴れしてほしい。